衛生害獣・害虫

チャバネゴキブリ

チャバネゴキブリとは?

チャバネゴキブリは、昆虫綱ゴキブリ目に分類されるゴキブリです。

日本ではクロゴキブリと並んでメジャーな種で、このチャバネゴキブリは主に室内で繁殖して私たちを困らせています。飲食店などで見かける種は大抵このチャバネゴキブリ。

クロゴキブリとチャバネゴキブリ
↑チャバネゴキブリは茶色くて体長は15mmまで(左)、クロゴキブリは赤黒くて大きければ体長40mmぐらいに(右)

 

チャバネゴキブリの身体的特徴

チャバネゴキブリは、体長は10~15mm程度になります。ゴキブリ全般の中では比較的小さい部類だといえるでしょう。

体色は明るい茶褐色で、半透明の羽には鮮やかな光沢があります。しかしその羽は実は飾りでしかなく、チャバネゴキブリは実は飛ぶことができません。よく「ゴキブリは目が合うとこちらに向かって飛んでくる」なんていいますが、あれはクロゴキブリのことを言っていて、チャバネゴキブリとは関係のない話なのです。

あとゴキブリと言えば、とんでもない速度で走って逃げるイメージがありますが、これについてもクロゴキブリの印象によるところが大きいです。チャバネゴキブリは目にも止まらぬような速度で走ることはできませんし、そもそも人間に対する警戒心が少ないので、一目散に逃げ去ることすらあまりしません。ある意味ふてぶてしいゴキブリ。

チャバネゴキブリは飛ばない

 

チャバネゴキブリの生活と繁殖

元々熱帯が原産の昆虫なので温かい場所を好みます。そのため屋外で生活することはほとんどなく、大抵人間の家屋の中に住み着いて生活しています(屋外だけに住むモリチャバネゴキブリという種もいますが)。

屋内の中でも好むのは、やはり温かくて狭い場所。天井裏や床下、または冷蔵庫やエアコンなどの家電製品の中に入り込み、集団でコロニーを作って生活していきます。

交尾・産卵はそこそこ温かい場所であれば年中行うことができます(月に一度ぐらいのペース)。一度の産卵で作った卵鞘には40~50個の卵が収納されており、メスはそれを自分のお尻にくっつけたままで生活していきます。孵化までの期間は20日前後で、成虫に成長するまではだいたい60~90日程度。生育したチャバネゴキブリはそこからさらに150日程度は生き続けます。

このように年中が繁殖期で、産卵数が多く、そのサイクルも非常に短いことから一度屋内に入り込まれるととんでもない速度でその数を増やしていきます。もし屋内でチャバネゴキブリを発見してしまったら、すでに大繁殖を許してしまっている可能性があります。

チャバネゴキブリと卵
↑チャバネゴキブリの卵鞘。中には40~50の卵が入っている。

 

チャバネゴキブリの食事と天敵

チャバネゴキブリはご承知のとおり雑食性です。昼間は狭いコロニーに密集してじっとしていますが、夜になるとエサを求めて活動を始めます。

成虫のエサは、ハエなどの小さな昆虫、植物、人間の食事の食べ残しはもちろん、ペットフードや古本、人間の毛髪・大便、自分達の糞まで食べてしまいます。しかも環境によっては共食いまですることも。好き嫌いなくなんでも食べる、食事に関しては非常に優等生。だからこそ、どんな環境でもしぶとく生きていけるのでしょう。

ゴキブリはキュウリだけは苦手、なんて話も聞きますが、普通にキュウリを食べている目撃談もあって、真偽は定かではありません。

逆に天敵は、アシダカグモなどの大型蜘蛛類、ムカデなど。しかしゴキブリ対策のために、アシダカグモやムカデと同居するのはちょっと厳しいところです(汗)

チャバネゴキブリ

 

チャバネゴキブリの侵入を防ぐための対策

まずはチャバネゴキブリの屋内への侵入経路を塞ぎましょう。2mm程度の平たい隙間があれば彼らは平気でそこを通り抜けてきます。窓のさん、天井裏、床下、エアコンダクトなど、ゴキブリの侵入の可能性がある隙間を洗い出し、パテやテープなどで塞いでいきましょう。

あと可能性が高いのは下水からのルート。排水管の内側は虫やゴキブリの侵入を防ぐために通常「返し」がついていますが、盲点なのは配水管の外側を這って登ってくるケース。そこに隙間がある場合はガムテープなどで完全に塞ぎましょう。

チャバネゴキブリ侵入経路

 

意外に盲点なのは、屋外から自分で持ち込んでしまうパターン。飲食店で働いていて、着用してた制服や、置いていたカバンの中へのゴキブリの侵入に気付かずにそのまま自宅に持ち帰ってしまう場合が少なからずありえます。飲食店・病院などのゴキブリが多い施設に勤務している場合は気を配ったほうが良いかと思います。

さらには、チャバネゴキブリの住み良い環境を排除することが大事です。部屋の中はこまめに掃除して、可燃ごみや生ゴミを長期間置くようなことはしないようにしましょう。食事の食べ残しは必ず密閉容器に入れるか、冷蔵庫の中にしまうように。ペットフードもしっかりと密閉し、ペットの糞の始末もこまめに。キッチン周りは、夕食後はなるべく水分を布巾で綺麗に拭きとっておくとよいでしょう。あとダンボール材も彼らにとってはエサや住処になるので、いらないダンボール箱は始末。このようにチャバネゴキブリがそこに住む理由を排除していけば、彼らが居つくことはなくなります。

チャバネゴキブリはダンボールなども食べる

 

もしチャバネゴキブリの繁殖を許してしまったら

もし室内で定期的にチャバネゴキブリを見かけることになってしまったら、残念ながらそれはもうチャバネゴキブリの繁殖を許してしまっています。一刻も早く対策を講じて殲滅しましょう。放置すればするほど彼らはその数を増やし、殲滅が困難になってしまいます。

 

1.ホウ酸ダンゴ型

お手軽なのはホウ酸ダンゴの設置です。ホウ酸ダンゴは海外でも「ジャパニーズ・ホウサン・ダンゴ」として知られるほどにゴキブリ対策としては世界的に有名な手段となっています。

市販品でも十分な効果が期待できますが、ホウ酸の含有量を増やせば、それを摂取したゴキブリの糞にもホウ酸の効果が得られたり、誘引物質を増やして(タマネギやジャガイモ)引き寄せる効果を高めたり、その家のゴキブリに対してカスタマイズをすることができるため汎用性が高いです。ゴキブリの通り道になりそうな場所に設置してやりましょう。

ただし老人や幼児、ペットが同居する家では誤飲の可能性もあるのでその点だけは十分に注意しましょう。

 

2.毒餌型(ベイト型)

仕組みとしてはホウ酸ダンゴと全く同じです。誘引剤でゴキブリを引きつけて毒のエサを食べさせて、巣に帰ったそのゴキブリが死亡、その死骸や糞を食べたほかのゴキブリも死亡、という原理。プラスチックケースの中に収納されているので誤飲の心配がないのがメリットです。その効果もかなり信頼性が高く、ゴキブリ対策としてはかなり安定した方法になります。

 

3.煙霧型

一度でゴキブリの成虫を全滅させるという点では最良の手段だといえます。ついでにダニやノミまで退治できるので害虫殲滅能力としても最強。ただし食器や電子機器にラッピングをする必要があり、ペットに魚や昆虫を飼っている場合は数日間外部に撤去しなければいけないなど、使用するためには一手間かかるのが難点です。

また煙系の殺虫剤は卵には効果がありません。一度の使用で成虫を全滅させても卵が残ってしまうので、孵化するであろう20日後に再び殺虫剤を炊く必要が出てきます。

 

4.ゴキブリホイホイ型

捕獲したゴキブリの姿がはっきりと見えて、退治している感は一番強いです。しかし捕まるのは活動的に動き回る成虫が多く、コロニーでじっとしていることが多い幼体はそんなにはかかりません。ゴキブリの数は減らすことができますが、根絶には繋がらないのでこれだけの運用はおすすめできません。場所もとりますし、ビジュアル的にもちょっとアレですしね(苦笑) ホウ酸ダンゴやコンバットの合わせ技として使っていきましょう。

 

チャバネゴキブリと戦う!

対策はいろいろ講じていても、いざゴキブリを目の前にするとどうしていいかわからなくなるものです。特に女性はゴキブリというだけで萎縮してしまう人も多いことでしょう。

しかしそのとき逃がしてしまった個体は確実に部屋の中のどこかに住み続けるわけですし、繁殖して数を増やすことにもつながってしまいます。勇気を出して確実に始末しましょう。

遠距離からでも殺せるのはゴキジェット系のスプレータイプ。最近は毒ではなく冷却によって殺すタイプが多く、その場合はキッチンのようなデリケートな場所で使うのにも抵抗がないのでおすすめです。

手元にスプレーを用意していない場合は打撃戦です。スリッパなり、丸めた雑誌などで叩いて殺しましょう。チャバネゴキブリはそれほど俊敏ではありませんし、何より飛ぶことがありません。落ち着いて対応すれば、接近戦で退治することはさして難しいことではないです。勇気を振り絞ってがんばってください(笑)

チャバネゴキブリチャバネゴキブリ

 

番外編 飲食店におけるチャバネゴキブリ対策

チャバネゴキブリの出現に一番頭を悩まされるのは飲食店です。なぜなら、飲食店の厨房は温かい、湿度が高い、食料が豊富、隠れ家が多いなど、彼らが好む条件が全て揃っているからです。

チャバネゴキブリ

まずはどれぐらいの数のゴキブリに侵入されているか確認しましょう。ゴキブリは基本的には人が出入りしているときは巣にじっと潜んでいて姿を見せません。閉店後に厨房の電気を消して人の出入りを断ち、一時間ほど時間をおいてください。その後戻ってきて電気をつければ、もしゴキブリがいた場合は姿を現しているはずです。

このときに、本当に引くぐらいの大量のゴキブリが姿を見せているなんてこともザラです。ときには1000匹以上といったものすごい状況も。大袈裟な話ではありません、繁殖を許していれば本当にこれぐらいの量が現れることはありえます。

幸運にも1匹も現れなかった場合は良いのですが、もし少数でも発見してしまった場合は対処が必要になります。飲食店の場合は以下のような対策を施しましょう。

 

1.閉店後には最低限の掃除を

ゴキブリはエサの匂いに惹きつけられてやってきますし、そのエサを食べて繁殖します。床に残った油や、コーナーポケットの生ゴミなど、人間からみても汚く見えるものはきちんと掃除して片付けましょう。ただし、あくまで最低限の掃除でかまいません。髪の毛1本さえエサにしてしまうゴキブリを掃除だけでなんとかするのは物理的に不可能に近いので。

 

2.侵入経路を全て防ぐ

お店の勝手口などは隙間が大きかったりします。パテなどの壁材で埋めてしまうか、ゴキブリ用の市販の忌避材を塗布するようにしましょう。換気扇はできるなら回しっぱなしにしておくことをオススメします。回しっぱなしが無理なら網目のフィルターを装着。もし配水管にトラップがついていないなら、工事をしてでも必ずトラップつきのものに交換しましょう。ゴキブリの最大の侵入ルートです。厨房の床にある排水溝も工夫をしたいところ。細かい網目状のカバーをつけるか、忌避材をこまめに塗布するようにしてください。

チャバネゴキブリは下水からくる

 

3.巣になっていそうなところを大掃除、毒エサを設置する

ゴキブリは狭くて温かくて湿っている隙間であればどこでも巣にします。厨房であれば、大きな什器類の裏側、冷蔵庫などの電化製品の裏、排水溝の中、温かい給水管の側、長く放置されたダンボールなどが該当するでしょうか。ゴキブリの巣になっていそうなところを重点的に大掃除しましょう。その後、すぐそばにコンバットなどの毒エサ系のトラップを設置しておきます。

 

4.どうしても改善がされなければ業者に依頼する

それなりに費用がかかってしまいますが、一番確実で有効な手段ではあります。いまやブログ・SNSで消費者が、お店の感想を簡単に全世界に発信できてしまう世の中です。「あの店はゴキブリが出た」なんて情報を発信されしまったときの損害を考えると、多少の費用を覚悟することも仕方ないのかもしれません。

チャバネゴキブリ

クロゴキブリ

クロゴキブリ

クロゴキブリとは?

クロゴキブリは、昆虫綱ゴキブリ目に分類されるゴキブリです。

日本ではチャバネゴキブリと並んでメジャーな種。基本的には屋外で活動するゴキブリですが、温かい空間を求めて屋内にも積極的に侵入を試みる厄介な奴です。

クロゴキブリ
↑クロゴキブリは暗い赤褐色で体長は30mmを越えることも(左)、チャバネゴキブリは薄い茶色でせいぜい体長15mmぐらい(右)

 

クロゴキブリの身体的特徴

クロゴキブリは、成虫ならば体長は25~40mm程度になります。日本で見かけるゴキブリの中ではやや大型の部類(ちなみに日本最大種は沖縄に生息するヤエヤママダラゴキブリで約50mmです)。

体色は暗い赤褐色ですが、個体によっては黒が強かったり赤が強かったりと差があります。体、翅にかなり強い光沢があるのが特徴。

全く飛ぶことができないチャバネゴキブリと違って、クロゴキブリはその翅を使って力強く飛ぶことができます。よく「クロゴキブリは飛翔できない、自分より低い位置へ滑空することしかできない」なんていいますが、実際には彼らはそれなりの高さまで地力で飛翔することができます。なので床を這っているクロゴキブリが飛び立たないと思ったら大間違い。ただし、やはり飛翔能力が高いわけではなく、積極的に自ら飛翔するケースが少ないのは事実です。

あと「ゴキブリは目が合うとこちらに向かって飛んでくる」なんて話がありますが、ゴキブリは視力が悪く、人間の視線を認識できるような知能を持っているとは考えにくいです。あくまで都市伝説。

ゴキブリは視力が悪い

 

クロゴキブリのお尻には1対の尾角と呼ばれる触角器官があります。これによりクロゴキブリは周囲の空気の流れを捉えることができます。後から足音を立てずに近寄ったにも関わらず逃げられてしまうのは、 この尾角による危険察知能力によるものです。そのため意外かもしれませんが、ゴキブリを倒すときは背後からではなく、前方向から近づいたほうが良い成果を得られることが多いのです。

また、クロゴキブリの逃走速度はとてつもないです。1秒間で1mぐらいは走るので、倒し損ねると一目散に家具の隙間へ逃げられてしまうこともしばしば。

そして彼らの逃走方向は非常に様々です。真っ直ぐ遠ざかる方に逃げることもあれば、横方向に蛇行したり、稀にこちらに向かってくることも。彼らの逃走方向の選択についての研究を進めたところ、個体によって数パターンの逃走方向を持っており、そのときの瞬時の判断でそれを選択していることがわかりました。つまり、クロゴキブリは「常に真っ直ぐ遠ざかるように逃げる」より、様々な逃げ方を使い分けたほうが生存確率が上がるということを知っているのです。なんてしたたかな生き物なんでしょう。

クロゴキブリの逃走

 

クロゴキブリの生活と繁殖

寒さに弱く、家屋を主な住みかにするチャバネゴキブリとは違い、クロゴキブリは屋外に住むことが多いゴキブリです。

ゴミ置き場や、建物と建物の間の細い隙間の中、マンホールの中などを好み、明るい昼間はそこでじっとして時間を過ごし、暗くなるとエサを探して活動を開始します。夏の夜に繁華街を歩くとアスファルトの上を這うクロゴキブリをよく見かけるはずです。ただし彼らは夜通し活動するわけではありません。ほとんどの場合は日没後から深夜2時ぐらいまでで活動を終え、また薄暗い住処に引っ込んでいきます。

クロゴキブリは幼虫期で約250日、成虫期で約200日ほど生きます。つまり全体の寿命は450日程度。その生涯の中で20回程度の産卵を行います。

1度の産卵で産み落とされる卵は20~30個。メスは卵を卵鞘の中に収納し、それを安全な物陰に唾液で固定します。孵化までの期間はだいたい45日前後。ただしこれは気温の影響を非常に大きく受けます。夏のように暖かい時期であれば孵化は早まり、秋に産卵されたものは、そのまま卵として越冬するため200日以上の期間をかけることになります。

このように年中が繁殖期で、産卵数が多く、そのサイクルも非常に短いことから、一度屋内に入り込まれるととんでもない速度でその数を増やしていきます。もし屋内でクロゴキブリを発見してしまったら、すでに大繁殖を許してしまっている可能性があります。

クロゴキブリの卵
↑クロゴキブリの卵鞘。チャバネゴキブリと違って、ずっとメスが持ち運ぶことはない。

 
クロゴキブリの孵化と幼虫
↑孵化した直後のクロゴキブリ(左)、クロゴキブリの幼虫(右)

 

クロゴキブリの食事と天敵

クロゴキブリはご承知のとおり雑食性です。昼間は狭いコロニーに密集してじっとしていますが、夜になるとエサを求めて活動を始めます。

成虫のエサは、ハエなどの小さな昆虫、植物、人間の食事の食べ残しはもちろん、ペットフードや古本、人間の毛髪・垢・排泄物、自分達の糞まで食べてしまいます。さらにはダンボールや食用油、障子紙など、本当に何でもアリ。唯一苦手なのはハーブ系の香りが強い植物のみ。

これだけ好き嫌いなくなんでも食べる上に、飢餓に対しての耐性も抜群です。食事なしでも数十日、水なしでも相当な期間を生存して活動することができます。これは体内に脂肪の液を溜め込んでいるおかげで、食べ物にありつけないときはこれを消費して飢えを凌ぐことができます(ゴキブリを叩き潰したときに出るあの白い体液がそうです)。

逆に天敵は、アシダカグモなどの大型蜘蛛類、ムカデ、カマキリなど。しかしゴキブリ対策のために、アシダカグモやムカデと同居するのはちょっと厳しいところです(汗)

ゴキブリを捕食するアシダカグモとカマキリ
↑ゴキブリを捕食するアシダカグモ(左)、同じくカマキリ(右)

 

クロゴキブリの侵入を防ぐための対策

まずはクロゴキブリの屋内への侵入経路を塞ぎましょう。3mm程度の平たい隙間があれば彼らは平気でそこを通り抜けてきます。窓のさん、天井裏、床下、エアコンダクトなど、ゴキブリの侵入の可能性がある隙間を洗い出し、パテやテープなどで塞いでいきましょう。

あと可能性が高いのは下水からのルート。排水管の内側は虫やゴキブリの侵入を防ぐために通常「返し」がついていますが、盲点なのは配水管の外側を這って登ってくるケース。そこに隙間がある場合はガムテープなどで完全に塞ぎましょう。

クロゴキブリ侵入経路

さらには、クロゴキブリを引き寄せてしまう環境を排除することが大事です。彼らは室内に篭った食物の匂いに惹かれてやってきます。部屋の中はこまめに掃除して、可燃ごみや生ゴミを長期間置くようなことはしないようにしましょう。食事の食べ残しは必ず密閉容器に入れるか、冷蔵庫の中にしまうように。ペットフードもしっかりと密閉し、ペットの糞の始末もこまめに。キッチン周りは、夕食後はなるべく水分を布巾で綺麗に拭きとっておくとよいでしょう。このようにクロゴキブリが侵入したくなる理由を排除していけば、彼らとの遭遇率は格段に低くなります。

クロゴキブリが他の仲間を引き寄せる

 

もしクロゴキブリの侵入を許してしまったら

もし室内にクロゴキブリが入ってきてしまったら、一刻も早く対策を講じて退治しましょう。屋外での繁殖力についてはチャバネゴキブリほどの脅威ではありませんが、クロゴキブリでもやはり嫌なものは嫌です。

 

◎目の前のクロゴキブリと戦う!

いざゴキブリを目の前にするとどうしていいかわからなくなるものです。特に女性はゴキブリというだけで萎縮してしまう人も多いことでしょう。

しかしそのとき逃がしてしまった個体は確実に部屋の中のどこかに住み続けるわけですし、繁殖して数を増やすことにもつながってしまいます。勇気を出して確実に始末しましょう。

遠距離からでも殺せるのはゴキジェット系のスプレータイプ。最近は毒ではなく冷却によって殺すタイプが多く、その場合はキッチンのようなデリケートな場所で使うのにも抵抗がないのでおすすめです。

もしポットがあって熱湯がすぐに手に入る状態であれば、それも立派な武器。ゴキブリは自分の体温が50℃以上になるとすぐに死んでしまいます。カップ1杯の熱湯をゴキブリにかけてやれば、瞬時に息の根を止めることができます。

ほかには食器用の洗剤をかけても殺すことができます。ゴキブリの呼吸口には油の膜があって、これが水の浸入を防いでいるのですが、洗剤の界面活性剤によってその油膜が取り除かれ水が呼吸口に入り、呼吸困難を起こすというわけです。度数が30%以上のアルコールでも同様の効果が期待できます。

手元に殺虫剤も熱湯も洗剤もない場合は仕方ありません、打撃戦です。スリッパなり、丸めた雑誌などで叩いて殺しましょう。前述しましたが、尾角があるため後から近寄るのは得策ではありません。前方からそっと近づき、一瞬でカタをつけましょう。

よく潰した後の死骸のことを考えて手加減してしまいがちですが、それで逃がすと必ず後でものすごく後悔します(筆者談)。思い切って渾身の一撃を叩き込むことをおすすめします。

クロゴキブリ

 

◎クロゴキブリに逃げられた・・・部屋のどこかにはいるはず、どうしよう(涙)

残念ながら逃げられてしまった場合。タンスや冷蔵庫の隙間に入られてしまうとさすがに手が出せません。隙間から出てくるのをじっと待つわけにもいきませんし、このまま住み着かれて繁殖されても困ってしまいます。そういう場合は何かしらゴキブリ退治アイテムに頼りましょう。

 

1.ホウ酸ダンゴ

お手軽なのはホウ酸ダンゴの設置です。ホウ酸ダンゴは海外でも「ジャパニーズ・ホウサン・ダンゴ」として知られるほどにゴキブリ対策としては世界的に有名な手段となっています。

市販品でも十分な効果が期待できますが、ホウ酸の含有量を増やせば、それを摂取したゴキブリの糞にもホウ酸の効果が得られたり、誘引物質を増やして(タマネギやジャガイモ)引き寄せる効果を高めたり、その家のゴキブリに対してカスタマイズをすることができるため汎用性が高いです。ゴキブリの通り道になりそうな場所に設置してやりましょう。

ただし老人や幼児、ペットが同居する家では誤飲の可能性もあるのでその点だけは十分に注意しましょう。

 

2.コンバット

仕組みとしてはホウ酸ダンゴと全く同じです。誘引剤でゴキブリを引きつけて毒のエサを食べさせて、巣に帰ったそのゴキブリが死亡、その死骸や糞を食べたほかのゴキブリも死亡、という原理。プラスチックケースの中に収納されているので誤飲の心配がないのがメリットです。その効果もかなり信頼性が高く、ゴキブリ対策としてはかなり安定した方法になります。

 

3.バルサンなどの煙霧剤

一度でゴキブリの成虫を全滅させるという点では最良の手段だといえます。ついでにダニやノミまで退治できるので害虫殲滅能力としても最強。ただし食器や電子機器にラッピングをする必要があり、ペットに魚や昆虫を飼っている場合は数日間外部に撤去しなければいけないなど、使用するためには一手間かかるのが難点です。

またバルサンの煙は卵には効果がありません。一度の使用で成虫を全滅させても卵が残ってしまうので、孵化するであろう20日後に再びバルサンを炊く必要が出てきます。

 

4.ゴキブリホイホイ

捕獲したゴキブリの姿がはっきりと見えて、退治している感は一番強いです。しかし捕まるのは活動的に動き回る成虫が多く、コロニーでじっとしていることが多い幼体はそんなにはかかりません。ゴキブリの数は減らすことができますが、根絶には繋がらないのでこれだけの運用はおすすめできません。場所もとりますし、ビジュアル的にもちょっとアレですしね(苦笑)ホウ酸ダンゴやコンバットの合わせ技として使っていきましょう。

 
クロゴキブリ

クマネズミ

クマネズミ

クマネズミとは?

クマネズミは、ネズミ目ネズミ科クマネズミ属に属する哺乳類です。日本の家庭において現れる家ネズミ(ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミ)のひとつ。

クマネズミとハツカネズミとドブネズミの違い
↑ドブネズミ(左)、クマネズミ(中)、ハツカネズミ(右)

 

ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの外見での見分け方

まずハツカネズミは他の2種類に比べて明らかに小さいです(体長5cm~10cm程度)。そのためすぐに判別がつきます。

ドブネズミとクマネズミではドブネズミのほうが体格が大きいのですが、体長20cm前後の場合は 「小さなドブネズミ」 なのか 「大きなクマネズミ」 なのかそれだけではわかりません。見分け方としては、ドブネズミのほうが体のラインがずんぐりしていて、特に腰周りがしっかりとしています。また、ドブネズミの目は小さく、鼻先は丸め、尻尾もやや短めです。

そして見分ける最大のポイントは耳。ドブネズミの耳は小さく耳の中が複雑な構造になっていますが、クマネズミの耳は非常に大きく、逆に耳の中はドブネズミにくらべると非常に単純な構造になっています。

 

クマネズミの身体的特徴

クマネズミは、体長は15cm~22cm程度の大きさで、ドブネズミに比べると少しだけ小柄です。鼻先はやや尖っており、耳が大きく、目はつぶらで大きいのが特徴で、外見だけを見るとペットにしても良いかなと思えてしまうぐらいに非常に可愛らしい動物。

体色は基本的には褐色から灰褐色です。腹部は背中部分に比べて色が薄く、薄い黄色もしくは白色をしています。

クマネズミの身体的特徴

 

クマネズミの生息地

ドブネズミは湿った場所を好むため床下や地下階に住み着きますが、クマネズミは逆に高い場所を好んで天井裏などに住み着きます。

彼らは垂直の壁や配管などを登ることができ、電線などの細い足場の綱渡りもお手のものです。さらに1~2メートルは飛べるほどの強い跳躍力を持っており、柔らかい壁材ならば自分で穴を空けられるほどに鋭い歯を供えているため、家屋への侵入を完全に防ぐのは非常に困難です。

近年では都心部に高層ビルが増えてきましたが、そこでさえクマネズミの大量発生が問題になることもあります。ビルの建物内部では配管や電気系統のケーブルが縦方向につながっており、免振構造が採用されている場合は壁と柱の間に空間があります。それらがクマネズミにとっては都合の良い縦貫道路になってしまい、ビル最上部まで侵入を許してしまうわけです。

 

クマネズミの生活と繁殖

クマネズミは乾いていて雨風がしのげる密閉空間を好みます(基本的には縦横10cm程度の狭い空間を好んで選ぶようです)。

本来は昼行性の生き物なのですが、人家に住むクマネズミは完全に夜行性です。これは人間を相手にするには夜に行動したほうが都合が良いことを学習しての行動だと言えるでしょう。クマネズミはそれぐらい知能が高く、適応力に優れた動物です。

生殖活動が積極的に行われるのは春と秋。3週間程度の妊娠期間をもって、1度に5、6匹程度の子供を産みます。生まれた子供は12週間程度で性成熟し、次の子供を産むようになります。成獣の寿命はだいたい2年程度です。

しかし1年を通して温度変化がほとんどないビルなどを住みかにした場合、繁殖は1年中行われます。「ねずみ算式に増える」という言葉のとおり、この場合クマネズミは爆発的に数を増やし、それが大きな問題になるケースもしばしば。

クマネズミの生活と繁殖

 

クマネズミの食事と天敵

クマネズミは雑食性です。しかしドブネズミと違って、肉・魚系の動物性のたんぱく質はそれほど好みません。どちらかというと、米や芋、果物などの穀物を好んで口にします。あとはチーズやソーセージなどの加工品など。

しかし、あくまでこれらは好みの話。腹を空かしているときは、石鹸、常備薬、サプリメント、ゴキブリ団子まで口にしたりします。結局は彼らは有機物であればなんだって食べてしまうのです。

彼らはその鋭い歯で食品のパッケージを破って中身を取り出します。時には食品保管用のプラスチックケースでさえも破壊することがあるぐらいです。全く、本当に厄介な連中だこと(汗)

逆に彼らの天敵は、ネコ、イタチ、ヘビ、大型の鳥類などです。ネコやフェレットがペットとして飼われている家では、ネズミ達はその気配や臭いを感じ、自分達にとって居心地の悪い家だと判断して引っ越していくケースもあるようです。

クマネズミの食事と天敵

 

クマネズミの人間に対する害

1.衛生面での問題

クマネズミは、ゴミ置き場や排気口、天井裏などの汚れた場所を好んで徘徊しています。死肉を食べるときもありますし、ゴキブリなどを捕まえて食べていることもあります。そのため衛生状態は最悪です。

そのネズミが買い置きの食物をかじっていたり、キッチンの上を走り回ったり、寝ている間に人間を咬んだり、そういったことで人間がネズミの持っている病原菌に接触してしまうことがあります。サルモネラ菌、レプトスピラ菌、ペスト菌、鼠咬症など、発症するとかなり重症になる病気も存在するため、ネズミぐらいと馬鹿にすることはできません。

また、イエダニやノミに寄生されている個体が多く、室内にそういった衛生害虫が侵入する原因にもなります。さらにクマネズミに天井を寝床にされて糞や食物を撒き散らされると、ゴキブリなどの繁殖を許してしまう可能性も高まってしまいます。

 

2.家財の損傷

クマネズミは際限なく前歯が伸び続ける生き物なので、常に何か固いものをかじって歯を削っています。木材はもちろんのこと、無機物である壁材、プラスチック、何でもかじって破壊してしまいます。コードなどの配線をかじられて、それが原因で停電や火事になるケースもあります。

クマネズミの害

 

クマネズミの侵入を防ぐための対策

さて、ようやく本題です。人家に侵入する3大ネズミの中で、実はこのクマネズミが一番厄介だと言われています。ジャンプ力が高く、地下よりは天井を好む性質、トラップに対しての高い学習能力がその理由です。

夜中に天井や壁の中で足音や、何かをかじっている音がする、室内に細長い糞がある(クマネズミは立ち止まって糞をしないため散らばる傾向にある)、などが見つかれば、それはすでに家の中にクマネズミが侵入しているサインです。

まずはクマネズミの屋内への侵入経路をチェックしましょう。家の周囲をチェックして、壁材の破損箇所などのクマネズミが侵入できそうな隙間を探し、もしそういった隙間があった場合は、セメントや補修材で修復しましょう。

ただしクマネズミは本当にルートの特定が難しい動物です。前述したとおり、彼らは垂直方向の壁や配管をすいすい登って、天井近くの高い場所にある人間が気付かないような隙間を侵入経路にしている場合もあります。さらに細いロープの綱渡りもお手のもの。思いつく限りの侵入ルートを塞いでもダメなら、次はクマネズミが好まない環境作りを心がけましょう。

 

クマネズミが好まないような環境を作る

侵入を完全に塞ぐのが無理であるとわかった場合。こちらにできるのは、クマネズミに「うわー、この家住みにくいわ、ほか行こ」と思わせること。そのための手段をいくつか紹介していきます。

 

1.ネズミ用の忌避剤を使用する

侵入経路になっていると思われる場所に設置することで、ネズミがその場所を嫌がって寄り付きにくくなります。スプレータイプのものも市販されていて、どちらでも効果が期待できます。ただし時間が経つと効果が薄れてしまうので、定期的な再設置が必要になります。

 

2.ネズミ捕獲用のワナを設置する

ネズミを物理的に捕獲する手段として使用します。ゴキブリホイホイの巨大版のような粘着シート、箱状のマウストラップなどが市販されています。ネズミの通り道となっていると思われる場所に設置しましょう。ただしクマネズミは体が大きくてかなり力が強いので、それぞれのトラップはしっかりと固定しておかないと暴れて逃げられてしまいます。

  

 

3.ネズミ用の毒剤を設置する

「エンドックス」という名前の薬剤で、ネズミ退治には昔から定番の毒剤です。ネズミの通り道になっている場所に多めに散布しておけば、体に付着した薬剤をネズミが毛繕いすることで自ら体内に取り込み効果を発揮します。また、エサとなる食べ物にふりかけておいたり、ダンゴを作ったりして、直接ネズミの体内に取り込ませることも可能です。

ただしこの毒には即効性はないため、効き目を実感するには数日間の継続使用が必要になります。散布した薬剤が減っていたら注ぎ足して、様子を見てみてください。

しかしこれら①②③の方法は、最初は効果があるかもしれませんが、いずれ全く効かなくなる可能性があります。クマネズミの本当に恐ろしいところは、トラップや薬剤への適応力の高さです。一度目にしたトラップには二度と近寄りませんし、粘着シートなどはジャンプして飛び越えるときも。忌避材の臭いにはすぐに慣れてしまい、毒に対してさえも適性を持ってしまったりします。こういったトラップや薬剤に適応したネズミを、スーパーラットと呼んでいます。

 

4.ネズミが嫌がる電磁波や超音波によって撃退する

これは効果がテキメンのときもあれば、全く効かないということもあるようです。値段はかなり安価な物からあるので一度ダメ元で試してみるのも良いかもしれません。ただし、ずっと機械を起動し続けるとクマネズミはこれにも慣れてしまう場合があるようです。定期的にオン・オフを切り替えたり、別の音波装置とローテーションを組んだりするほうがより効果が得られる場合が多いようです。

 

5.専門業者に依頼して駆除してもらう

忌避剤、トラップ、毒剤、音波装置を使っても状況が改善されない場合は、すでに多少の対策が意味をなさないほどに大量繁殖を許してしまっている、もしくは薬剤に抵抗力を持ったスーパーラットが生まれてしまっている、などの可能性が考えられます。そうなってしまった場合は素直に専門業者に依頼しましょう。数万円単位の費用がかかってしまいますが、クマネズミは本当に手ごわい相手です。自分の手に負えないときは仕方がありません。

 

6.猫や犬を飼う

そんな古典的な、と思うかもしれませんが、猫を飼い始めてからネズミが現れなくなったという報告は多数あります。哺乳類の鳴き声や匂いと気配をネズミは非常に嫌がります。ペットを飼える環境でなければいけないという制約こそありますが、ネズミ対策としての信頼性は非常に高い手段だと言えるでしょう。

クマネズミの対策としては犬やネコを飼うのも有効

ハツカネズミ

ハツカネズミ

ハツカネズミとは?

ハツカネズミは、ネズミ目ネズミ科ハツカネズミ属に属する哺乳類です。日本の家庭において現れる家ネズミ(ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミ)のひとつ。

ドブネズミとハツカネズミとクマネズミの見分け方

↑ドブネズミ(左)、クマネズミ(中)、ハツカネズミ(右)

 

ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの外見での見分け方

まずハツカネズミは他の2種類に比べて明らかに小さいです(体長5cm~10cm程度)。ハムスターぐらいのサイズと言えばなんとなくイメージが湧きやすいでしょうか。そのためすぐに判別がつきます。

ドブネズミとハツカネズミは大きさだけでは見分けがつきにくいですが、ドブネズミのほうが体のラインがずんぐりしていて、特に腰周りがしっかりとしています。また、ドブネズミの目は小さく、鼻先は丸め、尻尾もやや短めです。

そして見分ける最大のポイントは耳。ドブネズミの耳は小さく耳の中が複雑な構造になっていますが、ハツカネズミの耳は非常に大きく、逆に耳の中はドブネズミにくらべると非常に単純な構造になっています。

 

ハツカネズミの身体的特徴

ハツカネズミは、体長は5cm~10cm程度で、我々のイメージする「ネズミの大きさ」をしています(ドブネズミやクマネズミはちょっとした子猫並に大きいです)。ハムスターにかなり近い大きさと体格をしていて、顔にも愛嬌があります。

体色はバリエーション豊かで、黒色、褐色、灰色、ベージュ、白と様々です。自然の環境下においては茶色のものが割合多く見られます。腹部は背中部分に比べて色が薄くなっていきます。

ハツカネズミの特徴として特有の臭いがあります。これはカビの臭いに似ていて、ハツカネズミそのものから臭うのはもちろんですが、
巣や通り道になっている場所からもその臭いを感じることができるため、ネズミを発見するためのひとつのラットサインになります。

ハツカネズミの身体的特徴

 

ハツカネズミの生息地

ハツカネズミは家ネズミの中でも生息地が幅広く、人家以外にも、林、草原、河原、田畑、砂丘などあらゆる場所に生息しています。田舎であれば、もしかすると家の中よりは屋外で遭遇することのほうが多いかもしれません。

人家であれば人間が住むエリアよりも、物置や天井裏のような狭い場所を好みます。普段は野外で暮らしていても、寒い時期になると家屋に住処を移すパターンも多いようです。障害物が多い農家の納屋などは格好の住みか。大量に繁殖して飼料・肥料を食い荒らしてしまうこともあります。

 

ハツカネズミの生活と繁殖

ハツカネズミは乾いていて雨風がしのげる密閉空間を好みます。そのため乾きに対する耐性は非常に強く、船舶のコンテナのような水のない空間でもかなり長期間耐え生きることが知られています。

ハツカネズミは基本的には夜行性です。ただし人家に適応したネズミは、夜というよりは、人がいない時間を狙って行動するものが多いようです。ハツカネズミはそれぐらい知能が高く、適応力に優れた動物だというわけです。

生殖活動が積極的に行われるのは春と秋。3週間程度の妊娠期間をもって、1度に2~7匹程度の子供を産みます。生まれた子供は12週間程度で性成熟し、次の子供を産むようになります。成獣の寿命はだいたい1年~2年程度です。

だいたい20日程度の妊娠期間で子供を産むということでハツカネズミという名前がつけられていますが、実際にはほかのネズミもだいたい似たような妊娠期間になっています。また20日単位でどんどん増えていく印象がありますが、実際には成獣に成長するまでに3ヶ月ほどかかります。イメージで思っているほど短期間に爆発的に数を増やしていくわけではありません。

実験用のマウスはハツカネズミ
↑実験用に使われるマウスは分類上はハツカネズミになる(右)

 

ハツカネズミの食事と天敵

ハツカネズミは雑食性です。より好むのは穀物や種、野菜、花などの植物性のもの。小さな昆虫なども捕まえて捕食します。

逆に天敵になるのは、犬、猫、イタチ、ヘビ、カラスなど中型以上の鳥類です。しかし猫を飼っていない家屋に侵入してしまうと、考えられる天敵がいなくなってしまいます。結果的にハツカネズミにとってのパラダイスになってしまい、その場合は彼らの大きな繁殖を許してしまうでしょう。

ハツカネズミは家財を傷つける

 

ハツカネズミの人間に対する害

1.衛生面での問題

ハツカネズミは、ゴミ置き場や排気口、天井裏などの汚れた場所を徘徊しています。死肉を食べるドブネズミほどではありませんが、お世辞にも綺麗な体であるとは言えません。ネズミが買い置きの食物をかじっていたり、キッチンの上を走り回ったり、寝ている間に人間を咬んだり、そういったことで人間がネズミの持っている病原菌に接触してしまうことがあります。サルモネラ菌、レプトスピラ菌、ペスト菌、鼠咬症など、発症するとかなり重症になる病気も存在するため、ネズミぐらいと馬鹿にすることはできません。

 

2.家財の損傷

ハツカネズミは際限なく前歯が伸び続ける生き物なので、常に何か固いものをかじって歯を削っています。木材はもちろんのこと、無機物である壁材、プラスチック、何でもかじって破壊してしまいます。コードなどの配線をかじられて、それが原因で火事になるケースもあります。

また、ハツカネズミに天井を寝床にされて糞や食物を撒き散らされると、ゴキブリなど他の衛生害虫の繁殖を許してしまう可能性も高まってしまいます。

ハツカネズミの駆除対策

 

ハツカネズミの侵入を防ぐための対策

さて、ようやく本題です。

ハツカネズミは、ほかの家ネズミよりもかなりサイズが小さいので、そのぶん侵入経路も多くなります。骨格も見た目以上に細くて小さいため、直径1cm~2cmぐらいの穴があれば平気ですり抜けてきます。

まずはハツカネズミの屋内への侵入経路をチェックしましょう。家の周囲をチェックして、壁材の破損箇所などのハツカネズミが侵入できそうな隙間を探し、もしそういった隙間があった場合は、セメントや補修材で修復しましょう。

ネズミの通路になっていると思われる場所に忌避剤を設置するのも効果的です。ネズミがその場所を嫌がって近寄らなくなるため、ネズミの侵入を防ぐことにつながります。スプレータイプのものも市販されていて、どちらでも効果が期待できます。ただし時間が経つと効果が薄れてしまうので、定期的な再設置が必要になります。

 

すでにハツカネズミの侵入を許してしまっている場合

すでに屋内に侵入されている場合は、侵入経路を塞ぐだけでは足りません。もし家の内側に巣を作られていた場合はそこで繁殖されてしまうので、駆除する必要があります。そのための手段をいくつか紹介していきます。

 

1.ネズミ捕獲用のワナを設置する

ネズミを物理的に捕獲する手段として使用します。ゴキブリホイホイの巨大版のような粘着シート、箱状のマウストラップなどが市販されています。ネズミの通り道となっていると思われる場所に設置しましょう。ハツカネズミは興味心が強いため、比較的こういったトラップにかかりやすい傾向にあります。個体との相性もあるので、何種類かのトラップを使い分けるとより効果がでるでしょう。

 

2.ネズミ用の毒剤を設置する

「エンドックス」という名前の薬剤で、ネズミ退治には昔から定番の毒剤です。ネズミの通り道になっている場所に多めに散布しておけば、体に付着した薬剤をネズミが毛繕いすることで自ら体内に取り込み効果を発揮します。また、エサとなる食べ物にふりかけておいたり、ダンゴを作ったりして、直接ネズミの体内に取り込ませることも可能です。ただしこの毒には即効性はないため、効き目を実感するには数日間の継続使用が必要になります。散布した薬剤が減っていたら注ぎ足して、様子を見てみてください。

 

3.ネズミが嫌がる電磁波や超音波によって撃退する

これは効果がテキメンのときもあれば、全く効かないということもあるようです。値段はかなり安価な物からあるので一度ダメ元で試してみるのも良いかもしれません。ただし、ずっと機械を起動し続けるとハツカネズミはこれにも慣れてしまう場合があるようです。定期的にオン・オフを切り替えたり、別の音波装置とローテーションを組んだりするほうがより効果が得られる場合が多いようです。

 

4.専門業者に依頼して駆除してもらう

忌避剤、トラップ、毒剤、音波装置を使っても状況が改善されない場合は、すでに多少の対策が意味をなさないほどに大量繁殖を許してしまっている、もしくは薬剤に抵抗力を持ったスーパーラットが生まれてしまっている、などの可能性が考えられます。そうなってしまった場合は素直に専門業者に依頼しましょう。数万円単位の費用がかかってしまいますが、ネズミは本当に手ごわい相手です。自分の手に負えないときは仕方がありません。

 

ペットとしてのハツカネズミ

人によっては「ええっ!ネズミをペットに!?」と驚く場合もありますが、普通にペットショップに売っていて、ハムスターに近い感覚で飼育することができます。ペットショップで扱っているのは白い体色のアルビノ種の場合が多いようです(たぶん見た目が可愛いという理由で)。

飼い主に懐きやすくて愛らしいですが、体は強くなく、寿命は1~2年と短めです。そして尿の頻度が多い上に臭いが強めでトイレのしつけもできません。あとオスとメスを両方飼う場合は同じケージに入れるとすぐに繁殖してしまうので注意が必要です。また、ハツカネズミは必ずペットショップで購入したものを飼育してください。野生のものは非常に不衛生で、病気を持っていたり、性格も攻撃的な場合があったりするので飼育には向いていません。

野毛山動物園のふれあい広場ではハツカネズミ
↑横浜市にある入場無料の動物園、野毛山動物園のふれあい広場ではハツカネズミと戯れることができます。

ドブネズミ

ドブネズミ

ドブネズミとは?

ドブネズミは、ネズミ目ネズミ科クマネズミ属に属する哺乳類です。日本の家庭において現れる家ネズミ(ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミ)のひとつ。中国北部が原産といわれており、日本には600年ほど前に貨物などに紛れて侵入し、適応して繁殖したと考えられています。

ドブネズミとクマネズミとハツカネズミ
↑ドブネズミ(左)、クマネズミ(中)、ハツカネズミ(右)

 

ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの外見での見分け方

まずハツカネズミは他の2種類に比べて明らかに小さいです(体長5cm~10cm程度)。そのためすぐに判別がつきます。

ドブネズミとクマネズミでは、基本的にドブネズミのほうが大きく育つのですが、20cm前後の個体であった場合は大きさだけではどちらなのか判断できません。体の特徴で見分けるしかありません。ドブネズミのほうが体のラインがずんぐりしていて、特に腰周りがしっかりとしています。また、ドブネズミの目は小さく、鼻先は丸め、尻尾もやや短めです。

そして見分ける最大のポイントは耳。ドブネズミの耳は小さく耳の中が複雑な構造になっていますが、クマネズミの耳は非常に大きく、逆に耳の中はドブネズミにくらべると非常に単純な構造になっています。

 

ドブネズミの身体的特徴

ドブネズミは、体長は18cm~30cm程度の大きさで、尻尾の長さまで含めるとなんと50cmに迫ります。これは若い子猫に相当するサイズです。『ネズミ=小動物』の先入観を持っていると、実際にドブネズミと退治したときには唖然となってしまうことでしょう。

体色は基本的には黄色がかった灰色ですが、住んでいる環境により汚れなどでもっと黒ずんで見えることが多いです。腹部は体色が薄くなっていて個体によっては真っ白に近い色をしている場合もあります。

ドブネズミの身体的特徴

 

ドブネズミの生息地

ネズミというと、天井裏をコトコト音を立てて走り回るイメージがありますが、実はあれはクマネズミだけで、ドブネズミはジメジメした水場を好みます。ドブネズミは高い場所には侵入せず、床下、下水道、地下鉄構内などを住処にしていることが多いです。意外かもしれませんが、水の中には積極的に入り、泳ぎもかなり早いです。

住宅街など人間のそばにだけ住んでいるイメージもありますが、実際には海岸や河川、水田、湿地帯の茂みなどにも多く生息しています。また、寒さに非常に強いため、雪の下の草木の隙間や冷凍倉庫の中でも平気で活動を続けることができます。

 

ドブネズミの生活と繁殖

ドブネズミは寒さに強い性質もあって、冬眠などはせずに年中ずっと活動を続けています。1日の活動ピークは朝方と夕方と言われていますが、夜間であればどの時間帯でもドブネズミは活動をしています。

生殖活動が積極的に行われるのは春と秋。3週間程度の妊娠期間をもって、1度に10匹程度の子供を産みます。生まれた子供は9週間程度で性成熟し、次の子供を産むようになります。成獣の寿命はだいたい2年程度です。

ドブネズミ子供
↑ドブネズミが授乳している様子

 

ドブネズミの食事と天敵

ドブネズミは肉食寄りの雑食性です。自然界では穀物、草木、種子を食べたり、昆虫、ミミズ、魚介類を食べたり。人家の近くでは生ゴミを漁って人間が残した食物を食べたりもします。人間が食べるものであれば何でも好き嫌いなく口に入れます。また相手が小型の動物であれば自ら狩りを行うこともあり、攻撃性は非常に高いです。ドブネズミ同士で共食いをすることもあります。

ドブネズミの食性について最近ニュースになったのは、福岡県の沖ノ島。沖ノ島には天然記念物に指定されている野鳥が多く生息していますが、本来生息していなかったはずのドブネズミが侵入し繁殖してしまい、野鳥の雛や卵を襲うようになってしまいました。その食害が問題になり対策に追われています。

逆に天敵は、大型の鳥類、猫、イタチ、ヘビなど。しかしドブネズミはその体格が非常に大きいため、捕食者もそれなりに大型の個体のみに限られてきます。

ドブネズミの天敵

 

ドブネズミの人間に対する害

1.衛生面での問題

ドブネズミは下水などの湿った場所を好み、さらに死肉も食べるために、衛生状態は最悪です。ネズミが放置してあった食物をかじったり、キッチンの上を走り回ったり、寝ている間に人間を咬んだり、そういったことで人間がネズミの持っている病原菌に接触してしまうことがあります。

サルモネラ菌、レプトスピラ菌、ペスト菌、鼠咬症など、発症するとかなり重症になる病気も存在するため、ネズミぐらいと馬鹿にすることはできません。

 

2.家財の損傷

ドブネズミは際限なく前歯が伸び続ける生き物なので、常に何か固いものをかじって歯を削っています。
木材はもちろんのこと、無機物である壁材、プラスチック、何でもかじって破壊してしまいます。
コードなどの配線をかじられて、それが原因で停電や火事になるケースもあります。

 

3.ペットへの攻撃

ドブネズミは他の種のネズミに比べて、非常に気性が荒く獰猛です。ドブネズミより体格が小さいハムスターやインコなどのペットは攻撃の対象になる恐れがあります。また寝ている人間に近づいて噛み付くような事例も多く報告されています。

また、ドブネズミに床下を寝床にされて糞や食物を撒き散らされると、ゴキブリなど他の衛生害虫の繁殖を許してしまう可能性も高まってしまいます。

ドブネズミ
↑人間が出したゴミを漁るドブネズミ

 

ドブネズミの侵入を防ぐための対策

さて、ようやく本題です。

まずはドブネズミの屋内への侵入経路をチェックしましょう。家の周囲をチェックして、壁材の破損箇所などのドブネズミが侵入できそうな隙間を探し、もしそういった隙間があった場合は、セメントや補修材で修復しましょう。ドブネズミの場合は比較的床に近いような低い場所に侵入経路があることが多いです。

あと可能性が高いのは下水からのルート。排水管の内側はネズミやゴキブリの侵入を防ぐために通常「返し」がついていますが、盲点なのは配水管の外側を這って登ってくるケース。そこに隙間がある場合はガムテープなどで完全に塞ぎましょう。

ドブネズミ侵入経路
↑写真のような板を製作するのも有効な手段です(ただし分厚いモノでないと食い破られます)

 

もしドブネズミの侵入を許してしまったら

ゴキブリやムカデなどの害虫は、人間の手で完全に侵入経路を断てばそれで大丈夫なのですが、鋭い歯を持つドブネズミは、自らの力で穴を作って侵入してくることもあり得ます。侵入を100%完全に防ぐというのはなかなか難しいことです。家屋内にドブネズミが侵入した痕跡を発見した場合は、速やかに以下のような対処が必要になります。

 

1.ネズミ用の忌避剤を使用する

侵入経路になっていると思われる場所に設置することで、ネズミがその場所を嫌がって寄り付きにくくなります。スプレータイプのものも市販されていて、どちらでも効果が期待できます。ただし時間が経つと効果が薄れてしまうので、定期的な再設置が必要になります。

 

2.ネズミ捕獲用のワナを設置する

ネズミを物理的に捕獲する手段として使用します。ゴキブリホイホイの巨大版のような粘着シート、箱状のマウストラップなどが市販されています。ネズミの通り道となっていると思われる場所に設置しましょう。ただしドブネズミは体が大きくてかなり力が強いので、それぞれのトラップはしっかりと固定しておかないと暴れて逃げられてしまいます。もし捕獲に成功したときも、駆除の際に不用意に手を出すと咬まれる恐れがありますので油断は禁物です。

 

3.ネズミ用の毒剤を設置する

「エンドックス」という名前の薬剤で、ネズミ退治には昔から定番の毒剤です。ネズミの通り道になっている場所に多めに散布しておけば、体に付着した薬剤をネズミが毛繕いすることで自ら体内に取り込み効果を発揮します。また、エサとなる食べ物にふりかけておいたり、ダンゴを作ったりして、直接ネズミの体内に取り込ませることも可能です。ただしこの毒には即効性はないため、効き目を実感するには数日間の継続使用が必要になります。散布した薬剤が減っていたら注ぎ足して、様子を見てみてください。

 

4.専門業者に依頼して駆除してもらう

忌避剤、トラップ、毒剤を使っても状況が改善されない場合は、すでに多少の対策が意味をなさないほどに大量繁殖を許してしまっている、もしくは薬剤に抵抗力を持ったスーパーラットが生まれてしまっている、などの可能性が考えられます。そうなってしまった場合は素直に専門業者に依頼しましょう。数万円単位の費用がかかってしまいますが、自分の手に負えないときは仕方がありません。

ドブネズミとドブネズミのふん

イエカ

イエカ

イエカとは?

イエカは、ハエ目・糸角亜目・カ科・イエカ属に分類されるカ(蚊)の総称です。総称なので「イエカ」という名のカがいるわけではありません。

イエカの仲間は日本だけでも30種類ほどいます。主に有名なのは「アカイエカ」「チカイエカ」「コガタアカイエカ」あたり。それぞれ種類によって多少生違いはありますが、ほとんど同じような生態をしていると考えても支障はありません。

このページではこのアカイエカを「イエカ」として扱っていきます。以降「イエカ」という表記があれば、全てアカイエカのことを指していると思ってください。

イエカ

 

イエカの身体的特徴

イエカは、体長は5~5.5mm程度になります。ヤブカ属よりは比較的大きくなる傾向が多いです。

体色は薄い茶褐色で、若干透明がかっています。アカイエカという呼称の割にはそこまで赤い印象はありません。どちらかというと茶色。

アカイエカ

 

イエカの生活と繁殖

ヤブカは基本的に昼間に行動していますが、イエカは夜行性です。なので昼間はあまり行動せずに暗い場所でじっとして過ごしています。そして夜になると家屋などに侵入し、人間の血を狙って近寄ってくるわけです。

部屋の電気を消して寝ようとした途端にどこからか蚊が現れて、耳元をプーンという耳障りな羽音で飛ばれた経験は誰にでもあるかと思いますが、これはこのイエカによるものなのです。

イエカの活動が活発な季節は春と秋です。意外にもイエカは夏はそれほど活動的ではありません。蚊といえば夏のイメージが強いですが、それはヒトスジシマカのようなヤブカ属によるもの。イエカは暑過ぎる夏は逆に行動力が低下します。

逆に寒さに強く、イエカは成虫のままで越冬することができます。さすがに冬に飛び回ることはありませんが、軒下や木の穴の中に隠れてじっとして寒さを凌ぎ、春の到来を待ち続けます。

そして春が来るとまた繁殖のための栄養を求めて活動を開始するわけです。暖かい時期のイエカの寿命は一ヶ月程度にも関わらず、この冬眠の際だけは半年も生きるから驚きです。

交尾を済ませた成虫は水面に卵舟と呼ばれる産卵コロニーを作ります。その名前のとおりまるで船のように水面に浮いており、この中には大体100個前後の卵が含まれています。

卵は2日間ほどで孵化してボウフラになります。ボウフラは水中で植物や微生物を食べながら1週間ほど過ごし、3日間程度のさなぎの期間(オニボウフラ)を経て羽化し、成虫になります。

ボウフラと卵舟とオニボウフラ
↑イエカの卵舟(左)、幼虫ボウフラ(中)、さなぎのオニボウフラ(右)

 

イエカの吸血行動と天敵

イエカといえば吸血行動ですが、実はオスは花の蜜などを摂取して生きています。吸血行動を行っているのは、産卵のために多くの栄養が必要なメスのみ。

その吸血対象は、人間はもちろん、哺乳類全般、鳥類、そして爬虫類や両生類・魚類にまで及びます。イエカの場合は特に鳥類を好み、家畜のニワトリなどを一番の標的にしている傾向があります。動物の体温、呼吸で吐き出される二酸化炭素、分泌される代謝物の臭いなどを嗅ぎ取って近寄り、長いストローのような針を垂直に差し込んで、血を吸い上げていきます。

このとき血液の凝固を妨げる役割を果たす唾液を注入するのですが、これがイエカに刺されたときの腫れと痒みの原因になっています。

ひとしきり吸血を終えると、カは注入していた唾液を回収して飛び立って逃げていきます。このとき腹にはかなりの血液が溜まっているので、飛行能力は著しく低下しています。この状態のカを両手で叩いて潰すと血が飛び散って、ちょっとしたスプラッター状態に。

イエカにとって天敵となるのは成虫時代はクモやトンボ、小鳥など。幼虫時代はヤゴなどの水棲昆虫やフナなどの肉食性魚類です。中でもトンボはイエカの成虫を食べ、トンボの幼虫であるヤゴはイエカの幼虫であるボウフラを食べるという、イエカにとっては本当にイヤラシイ相手ですね。

イエカの血を吸った前と後、イエカの顔のアップ
↑血を吸う前の状態(右)、血を吸った後の状態(中)、イエカの顔のアップ(右)

 

イエカの繁殖を防ぐために

ここからの内容はヤブカとほぼ共通です。

イエカは、山間部であろうと都市部であろうと、ところ構わず生息しています。産卵・孵化して繁殖するには本当に少量の水しか必要としておらず、完全な根絶はなかなか難しいものがあります。しかしちゃんと手段を講じれば繁殖を抑制することは可能です。

 

1.自宅の周りから繁殖場所をなくす

とにかく自宅の周りから水場をなくすところから。空きタイヤや放置バケツ、プランター、空き缶など、水が溜まるものをできる限り除去しましょう。イエカはこういった場所に産卵してその数を増やしていきます。

生い茂った雑草もイエカの隠れ家になるのでできる限り綺麗に刈り取りましょう。ドブがあるならば、そこが発生源になる可能性もあります。定期的に清掃して水はけが良い状態を保ってください。溜まる水さえなくなればボウフラは生息できません。

 

2.ダミーの産卵場所を用意して一網打尽に

また、あえてトラップとしてこちらで水場を用意し、ボウフラが現れたところで水を廃棄して駆逐するという手段も有効です。

ボウフラは誘引フェロモンを持っていて、自分がいる水場に成虫のメスを引き寄せる能力があります。成虫に「ここに産卵できる水場あるよー」とボウフラが教えているわけです。これはこれですごい能力ですね。

それを逆手にとって、近辺のイエカの産卵場所をそのトラップ水場に集中させます。そしてボウフラが羽化する前にその水をぶちまけて一網打尽にするわけです。水をぶちまけるのはコンクリート舗装の道路の上がいいでしょう。ドブや側溝などに捨てると水がはけきらずに羽化を許す可能性があります。

イエカのすみか

 

イエカの成虫の接近を防ぐために

まずは屋内への侵入を防ぐところから。窓を開ける場合は必ず目の細かい網戸にしましょう。なんと目が粗い網の場合は、イエカは体を入れて潜り抜けようとする習性があることがわかっています。窓のさんには隙間がある場合もあるので一度チェックして、もし発見した場合は塞ぎましょう。換気扇なども旧式の場合は防虫網の目が粗いときがありますので注意してみて下さい。

それでもイエカの侵入を100%防ぐことはできません。人が出入りがある玄関や、洗濯などで開ける窓からの侵入は気をつけていても完全阻止は不可能です。もし侵入されてしまった場合は、蚊取り線香やべープマットなどを設置するしかありません。これらは目に見えて大きな効果があります。設置すると、目の前を飛んでいるイエカがフラフラしだして突然ポトリと地面に落ちるぐらい。

ただし、ものによっては臭いがあったり、ペットに良くない影響がある場合があるので、使用するときは取扱説明書を熟読してからにしてください。
ベープマット 蚊取り器 セット 本体+取替(30枚入)
ベープリキッド 蚊取り器 液体式 60日セット 本体+取替(60日)

「イエカが部屋のどこかにいる、でもべープマットなんか常備してない!」なんて場合は、部屋の電気を明るくしたまま寝るという手段も地味に有効です。イエカは夜行性であるため、明るい部屋にはあまり近づかない傾向があります。ただしあくまで傾向があるだけなので、完全な対策とはいえません。

屋外で蚊が気になるときは虫除けスプレーなどの忌避剤を肌や衣服にかけておきましょう。ディート(DEET)という成分が入っている製品ならば、イエカに対してはまず間違いがないです。成分をみて確認しておきましょう。
蚊がいなくなるスプレー 蚊取り 12時間持続 200日分 無香料 (防除用医薬部外品)

余裕があるなら屋外に出かける前にシャワーを浴びておくのも意外に効果的です。イエカは人間の皮膚から出る代謝物と臭い(特に足の臭いなど)を感知して近寄ってくるので、そういったものを一度洗い流すことでイエカの接近を少なくすることができます。ただし、あまり熱いシャワーを浴びてしまうと新たに汗をかいてしまって逆効果なのでご注意を。基本的にはこれらの対処でイエカの接近はだいたい防げるはずです。

べーぷマットや蚊取り線香でイエカの対策をする

 

イエカに刺されてしまったら

イエカは水さえあれば大抵の場所に適応することができます。ドブ川はもちろん、放置ゴミが溜まった場所、地下鉄の中にだって生息していたりします。そのため普通に都心部で暮らしていても、イエカに刺される機会は多々あるでしょう。

刺されたときの対処のひとつとして、まず一般的にはムヒやウナコーワなどの虫刺され薬を塗ることを思いつくでしょう。ただし刺された患部にはできる限り早く塗るようにしましょう。そのほうが効果が圧倒的に大きいです。
【指定第2類医薬品】液体ムヒS2a 50mL
【第2類医薬品】新ウナコーワクール 30mL

あとは熱でイエカの唾液成分を無効化する方法があります。個人的にはこれが一番効果的な対処法だと思っていて、刺されてすぐに熱湯で患部を45~50℃程度に温められれば、痒みと腫れは驚くぐらいに軽減されます。ただし温める熱湯をすぐに用意できないケースが多いのが難点。お湯が出る環境ならばいいですが、屋外や外出先だとさすがに難しいでしょう。

逆に冷やす方法も。これも炎症を抑える効果がありますが、炎症の原因そのものを除去する効果はありません。冷やしている間は一時的に痒みは治まりますが、それをやめるとすぐに腫れて痒みが戻ってきます。あまりおすすめできません。

石鹸で患部を洗い流す方法もあります。痒み成分は酸性なので、アルカリ性の石鹸で洗い流せば中和されて毒性がなくなるという理論です。すでに痒み成分は体内に入ってしまっているので、外から患部を洗うだけで中和されるのかが疑問ですが、実際に自分の経験でも効き目は感じますし、ネット上でも好意的な意見が多い方法です。

意外に知られていないのがテープを貼る方法。絆創膏、極端な話セロテープでもガムテープでも構いません。患部が空気に触れなくなるので外部からの刺激を受けず、痒みがほとんどなくなります。外部刺激がなくなれば無駄に患部が腫れあがることもなくなり、かなり効果的な処置といえるでしょう。

ヤブカ

ヤブカ(ヒトスジシマカ)

ヤブカとは?

ヤブカは、ハエ目・糸角亜目・カ科・ヤブカ属に分類されるカ(蚊)の総称です。総称なので「ヤブカ」という名のカがいるわけではありません。

ヤブカとして日本で一番有名なのは「ヒトスジシマカ」です。白と黒の縞々模様をしていて一般的には「シマカ」とも呼ばれます。夏場であれば北海道以外のどこでも見かけることができるので、このカを見たことがないという人はいないでしょう。

このページではこのヒトスジシマカを「ヤブカ」として扱っていきます。以降このページでは「ヤブカ」という表記があれば、全てヒトスジシマカのことを指していると思ってください。

ヤブカ

 

ヤブカの身体的特徴

ヤブカは、体長は4~5mm程度になります。見た目に対して体重は2mg程度とびっくりするぐらいに軽く、ちょっとしたそよ風でも大きく影響を受けて、まともに飛べないほどです。

一番の特徴はやはりその白黒の縞模様をした体色。その縞模様は胴体だけでなく、足にまで及んでいます。なぜこのように目立つ模様に進化してしまったのかは、確かなことはわかっていません。シマウマの場合は、群れていれば捕食者が個体の識別がしづらくなるという理由がありますが、カに関して言えば縞々であることのメリットはいったいなんでしょうね?

あと他の種類のカとの識別の際に目印になるのは背中の模様。一本の綺麗な白線が縦方向に入っています。これがヒトスジシマカという名の由来にもなっています。

ヒトスジシマカ

 

ヤブカの生活と繁殖

ヤブカは基本的には昼間に行動していて、直射日光が当たらない、湿度の高くて水場が近い場所を好みます。

ヤブカが成虫として活動するのは主に4月~11月頃。この期間中は常に交尾・産卵を繰り返していて、1年間の間に7、8世代がサイクルすると言われています。あまり知られていませんが、ヤブカの成虫の寿命は実は1ヶ月程度しかありません。

交尾を済ませた成虫は水面のすぐ側に80個前後の卵を産みつけます。この卵は乾燥などの環境変化に非常に強く、水位が上がって卵が水に触れると孵化します。孵化した幼虫(ボウフラ)は水中で植物や微生物を食べながら10日間ほど過ごし、3日間程度のさなぎの期間を経て羽化し、成虫になります。

暖かい時期はこのサイクルを繰り返していますが、冬になると卵の状態を保って越冬に臨みます。この卵は冬が過ぎて温かくなると孵化してボウフラになり、またサイクルを繰り返すわけです。

蚊の幼虫時代の姿ボウフラ
↑幼虫期のボウフラの姿

 

ヤブカの吸血行動と天敵

ヤブカといえば吸血行動ですが、実はオスは花の蜜などを摂取して生きています。吸血行動を行っているのは、産卵のために多くの栄養が必要なメスのみ。

その吸血対象は、人間はもちろん、哺乳類全般、鳥類、そして爬虫類や両生類・魚類にまで及びます。動物の体温、分泌される代謝物の臭いなどを嗅ぎ取って近寄り、長いストローのような針を垂直に差し込んで、血を吸い上げていきます。

このとき血液の凝固を妨げる役割を果たす唾液を注入するのですが、これがヤブカに刺されたときの腫れと痒みの原因になっています。

ひとしきり吸血を終えると、カは注入していた唾液を回収して飛び立って逃げていきます。このとき腹にはかなりの血液が溜まっているので、飛行能力は著しく低下しています。この状態のカを両手で叩いて潰すと血が飛び散って、ちょっとしたスプラッター状態に。

ヤブカにとって天敵となるのは成虫時代はクモやトンボ、小鳥など。幼虫時代はヤゴなどの水棲昆虫やフナなどの肉食性魚類です。中でもトンボはヤブカの成虫を食べ、トンボの幼虫であるヤゴはヤブカの幼虫であるボウフラを食べるという、ヤブカにとっては本当にイヤラシイ相手ですね。

血を吸った後の状態のヤブカとアリグモに食べられる蚊
↑血を吸う前の状態(右)、血を吸った後の状態(中)、アリグモに食べられるカ(右)

 

ヤブカの繁殖を防ぐために

ヤブカは、山間部であろうと都市部であろうと、ところ構わず生息しています。産卵・孵化して繁殖するには本当に少量の水しか必要としておらず、完全な根絶はなかなか難しいものがあります。しかしちゃんと手段を講じれば繁殖を抑制することは可能です。

 

1.自宅の周りから繁殖場所をなくす

とにかく自宅の周りから水場をなくすところから。空きタイヤや放置バケツ、空き缶などの水が溜まるものをできる限り除去しましょう。ヤブカはこういった場所に産卵してその数を増やしていきます。

生い茂った雑草もヤブカの隠れ家になるのでできる限り綺麗に刈り取りましょう。ドブがあるならば、そこが発生源になる可能性もあります。定期的に清掃して水はけが良い状態を保ってください。溜まる水さえなくなればボウフラは生息できません。

 

2.ダミーの産卵場所を用意して一網打尽に

また、あえてトラップとしてこちらで水場を用意し、ボウフラが現れたところで水を廃棄して駆逐するという手段も有効です。

ボウフラは誘引フェロモンを持っていて、自分がいる水場に成虫のメスを引き寄せる能力があります。成虫に「ここに産卵できる水場あるよー」とボウフラが教えているわけです。これはこれですごい能力ですね。

それを逆手にとって、近辺のヤブカの産卵場所をそのトラップ水場に集中させます。そしてボウフラが羽化する前にその水をぶちまけて一網打尽にするわけです。水をぶちまけるのはコンクリート舗装の道路の上がいいでしょう。ドブや側溝などに捨てると水がはけきらずに羽化を許す可能性があります。

ヒトスジシマカが繁殖しやすい場所

 

ヤブカの成虫の接近を防ぐために

まずは屋内への侵入を防ぐところから。窓を開ける場合は必ず網戸にしましょう。

あとは蚊取り線香やべープマットなどの設置。これらは目に見えて大きな効果があります。設置すると、目の前を飛んでいるヤブカがフラフラしだして突然ポトリと地面に落ちるぐらい。ただし、ものによっては臭いがあったり、ペットに良くない影響がある場合があるので、使用するときは取扱説明書を熟読してからにしてください。
ベープマット 蚊取り器 セット 本体+取替(30枚入)
ベープリキッド 蚊取り器 液体式 60日セット 本体+取替(60日)

屋外で蚊が気になるときは虫除けスプレーなどの忌避剤を肌や衣服にかけておきましょう。ディート(DEET)という成分が入っている製品ならば、ヤブカに対してはまず間違いがないです。成分をみて確認しておきましょう。
蚊がいなくなるスプレー 蚊取り 12時間持続 200日分 無香料 (防除用医薬部外品)

余裕があるなら屋外に出かける前にシャワーを浴びておくのも意外に効果的です。ヤブカは人間の皮膚から出る代謝物と臭い(特に足の臭いなど)を感知して近寄ってくるので、そういったものを一度洗い流すことでヤブカの接近を少なくすることができます。ただし、あまり熱いシャワーを浴びてしまうと汗をかいてしまって逆効果なのでご注意を。

基本的にはこれらの対処でヤブカの接近はだいたい防げるはずです。

ヤブカ対策

 

ヤブカに刺されてしまったら

ヤブカは水さえあれば大抵の場所に適応することができます。ドブ川はもちろん、放置ゴミが溜まった場所、地下鉄の中にだって生息していたりします。そのため普通に都心部で暮らしていても、ヤブカに刺される機会は多々あるでしょう。

刺されたときの対処のひとつとして、まず一般的にはムヒやウナコーワなどの虫刺され薬を塗ることを思いつくでしょう。ただし刺された患部にはできる限り早く塗るようにしましょう。そのほうが効果が圧倒的に大きいです。
【指定第2類医薬品】液体ムヒS2a 50mL
【第2類医薬品】新ウナコーワクール 30mL

あとは熱でヤブカの唾液成分を無効化する方法があります。すぐ患部を50℃程度に温められれば痒みと腫れは驚くぐらいに軽減されます。個人的にはこれが一番効果が高いのではないかと思う方法です。ただし温めるための道具をすぐに用意できないケースが多いのが難点。お湯が出る環境ならばいいですが、屋外や外出先だとさすがに難しいでしょう。

逆に冷やす方法も。これも炎症を抑える効果がありますが、炎症の原因そのものを除去する効果はありません。冷やしている間は一時的に痒みは治まりますが、それをやめるとすぐに腫れて痒みが戻ってきます。あまりおすすめできません。

石鹸で患部を洗い流す方法もあります。痒み成分は酸性なので、アルカリ性の石鹸で洗い流せば中和されて毒性がなくなるという理論です。すでに痒み成分は体内に入ってしまっているので、外から患部を洗うだけで中和されるのかが疑問ですが、実際に自分の経験でも効き目は感じますし、ネット上でも好意的な意見が多い方法です。

意外に知られていないのがテープを貼る方法。絆創膏、極端な話セロテープでもガムテープでも構いません。患部が空気に触れなくなるので外部からの刺激を受けず、痒みがほとんどなくなります。外部刺激がなくなれば無駄に患部が腫れあがることもなくなり、かなり効果的な処置といえるでしょう。

ヤブカ

 

ヤブカが媒介するデング熱

デング熱はデングウイルスによる感染症で、発熱、頭痛、目の痛み、関節痛、皮膚の発疹などが主な症状です。通常デングウイルスは日本国内には存在しません。これまでは海外旅行先で蚊に刺されて国内で発症するパターンが多かったのですが、2014年8月に国内で海外に渡航していない人の発症が確認され、それがヒトスジシマカの媒介によることがわかりました。

つまり、

1. 海外に行った日本人が旅行先で蚊に刺されてデングウイルスに感染する
2. 国内に帰ってきてから新たに蚊に刺され、その蚊がデングウイルスを保持する
3. その蚊がほかの人を刺してウイルスに感染させる

という流れで国内でのウイルス感染が起きたわけです。これは非常に大きなニュースになり、メディアでも大きく取り上げられました。しかし、メディアはすぐに「殺人ウイルス日本上陸!」みたいな過剰な騒ぎ立て方をします。正しい知識を持って対応していきましょう。

 

1.デング熱とはどんな病気なのか

デングウイルスは3日~7日程度の潜伏期間を持って発症します。症状は前述したとおり、高熱、頭痛、目の痛み、関節痛、筋肉痛、皮膚の発疹など。個人差もありますが発熱は40度近くになるときもあり、関節痛や筋肉痛の痛みはかなり大きいと言われます。ごくまれに発熱後に血漿漏出に伴うショックと出血傾向が確認される患者がおり、その場合は「デング出血熱」という病名にあたり命の危険があります(デング出血熱も医療機関にかかって正しく治療を行えば死亡率は1パーセント以下)。

デングウイルスに対する予防接種やワクチンなどは現在では存在しないため、予防はできず、治療も対症療法になります。だいたい1週間程度で回復に向かう傾向にあります。

 

2.デング熱の感染について

デングウイルス感染者の血を吸ったヒトスジシマカが新たに他の人を刺すことによって感染します。人と人同士では感染しません。ヤブカの卵がウイルスを保持する確率は10パーセント程度で、越冬した卵についてはウイルスを保持できた例はまだ確認されていません。そのため一度国内の蚊に入ったウイルスが年をまたいで流行することはありません。

 

3.デング熱の予防と治療について

デングウイルスには予防接種のようなものはありません。蚊に刺されないことが一番の対策になります。蚊取り線香や虫避けスプレーを使う、蚊が繁殖する環境をなくす、などの地道な行動が、デング熱の一番の対策になるといえるでしょう。

シロアリ

シロアリ

シロアリとは?

シロアリは、昆虫綱ゴキブリ目シロアリ科の昆虫の総称です。

名前とその見た目から、アリの仲間だという印象を抱きがちですが、実はシロアリはどちらかというとゴキブリに近い生物です。一般的なアリはハチと性質が非常に近く、ハチの羽と針がなくなったのがアリと考えてもハズレではありません。逆にシロアリは、社会性を持って階級制度の下で集団行動をとるようになったゴキブリと見ることができます。そう考えるとますます嫌悪感が増しますね(笑)

シロアリは世界中の温帯・亜熱帯・熱帯地域に生息しており、日本では22種類のシロアリの生息が確認されています。中でもわれわれの家屋に被害をもたらすのはヤマトシロアリと、イエシロアリの2種類が主。ヤマトシロアリは日本全域、イエシロアリは西日本の海岸沿いの地域に多くみられます。また、近年では外来種であるアメリカカンザイシロアリの被害も報告されるようになりました。

シロアリの種類
↑ヤマトシロアリ(左)、イエシロアリ(中)、アメリカカンザイシロアリ(右)
それぞれ左が兵隊アリで右が働きアリ。

 

ちなみに 『シロアリ=家屋を食い荒らす』 というイメージがありますが、全世界に2800種以上のシロアリがいる中で、家屋に害を与えるのは80種程度です。そのほかの種は森の土壌の中で、枯れ木や枯葉などを食べています。樹木のセルロースを分解する能力があるため、自然界の土壌の生物循環に大きな貢献をしており、地球視野で見た場合は非常に大切な生き物であるという一面も持っています。

しかし一部のシロアリの食害が我々にとって深刻な問題であることも確か。このサイトでは、人間の家屋への食害が顕著なヤマトシロアリとイエシロアリについて解説していきます。

 

シロアリの身体的特徴

ヤマトシロアリは、働きアリの大きさが大体4mm~6mm前後です。兵隊アリも同じぐらいの大きさですが、顕著に頭が大きくてその先端には強靭なアゴがあります。女王アリは15mm程度で、下腹部が大きく膨らみます。体色は乳白色から透き通るような淡い褐色で、羽を持った有翅虫(羽アリ)は黒い褐色をしています。

イエシロアリは、ヤマトシロアリに比べてサイズが全体的に大きいのが特徴です。働きアリ5~7mm、女王アリは40mmほどの大きさになります。ヤマトシロアリ同様に頭部が発達した兵隊アリもいますが、イエシロアリの兵隊アリの頭部は小さめ。体色も同様に乳白色~淡い褐色ですが、イエシロアリの場合は有翅虫も薄い褐色をしています。これらの点から、身体的特徴だけでも十分に2種の判別は可能です。

また、アリとの区別も容易です。以下の点を気にして観察すればすぐに判別がつきます。

・アリの触覚はくの字に曲がっているが、シロアリの触覚はまっすぐで連なった団子状
・アリはくびれがあるが、シロアリは寸胴
・アリの有翅虫の羽根は前羽根がかなり大きくなっているが、シロアリの有翅虫の羽根は前後とも同じ大きさ

ヤマトシロアリの兵隊アリ
↑ヤマトシロアリの兵隊アリと働きアリ(左)、イエシロアリの兵隊アリ(右)

 
ヤマトシロアリの女王アリ
↑ヤマトシロアリの有翅虫(左)、イエシロアリの女王アリ(右)

 

シロアリの階級と繁殖サイクル

シロアリは個体の階級がしっかりと分かれており、非常に社会性に富んだ生き物です。
・女王アリ・・・体長が非常に大きく、巣の中で繁殖活動に専念している
・王アリ・・・女王のそばで繁殖活動に専念している
・副女王/副王アリ・・・何匹かいて、女王達に何かがあったときに昇格して代わりを務める
・働きアリ・・・食事の調達や卵・幼虫の世話・巣作りなどをしている
・兵隊アリ・・・外敵から他のアリを守る
・ニンフ・・・いずれ羽アリになり巣立っていく将来の女王/王候補

シロアリはコロニーがある程度大きくなると、ニンフから羽アリに成長した個体が巣立っていきます。地域やシロアリの種類によって差はありますが、春から夏にかけての湿度が高い蒸し暑い日に飛び立つことが多いようです(結婚飛行)。飛行能力はそれほど高くなく、数十分の飛行でせいぜい500m以内の移動距離におさまることがほとんどです。彼らは着地するとすぐに羽根を落としてしまいます。そこでうまくパートナーを見つけたカップルは営巣と生殖活動に励みます。

最初は自分達も卵や幼虫の世話をしていますが、働きアリの数が揃う頃には完全に女王と王は生殖のみに専念するようになります。最初は一週間以上かけて数十個の卵しか産みませんが、生殖に専念したあとは1日数百個レベルでの産卵が可能に。そこからは爆発的にその個体数を増やしていきます。

シロアリの活動の時間は昼夜問わずです。季節的には暖かい時期のほうが活動が活発ですが、冬に特別冬眠をするわけではありません。冬場でも気温が高い日にはしっかりと活動を続けています。羽アリを見かける夏にしか活動していないイメージを持ってしまいがちですが、それは間違いです。

シロアリ
 

シロアリには目がありません。全ての行動はそれぞれが体から分泌する特殊なフェロモンによって行われています。階級を表すフェロモン、道標をあらわすフェロモン、危険を知らせるフェロモンなどさまざまなフェロモンを使い分けて社会的な集団行動を可能にしているのです。

なので何か不慮の事故で女王が不在になれば、彼らはそれをフェロモンで検知し、すぐに代わりの副女王が昇格して次の女王の役目を担ったりします。シロアリにとってのフェロモンは、我々にとっての会話と同等のものであると考えてもよいでしょう。

巣に選ぶ場所は、シロアリの種類によって様々です。枯れ木や土の中に巣を作る場合もあれば、海外で目にするアリ塚のように地上に作るケースもあります。

 

ヤマトシロアリの場合

非常に湿った場所を好みます。最初から湿っている朽木や木材などに目をつけて巣を張ります。巣を拡大するスピードは遅く、コロニーの大きさもせいぜい3万匹規模までと言われています。そのため家屋に侵入しても、トイレや風呂の床下までの被害で収まることが多いです。

 

イエシロアリの場合

ヤマトシロアリ同様に湿った場所を好みますが、なんとイエシロアリは自らの手で水分を持ち運んで、乾いた場所さえも湿った場所に変えてしまいます。そのため元々湿気がない場所にも積極的に進行していく傾向があり、被害は家屋全体に及ぶことも。侵食速度が早い上にコロニーも巨大で、100万匹クラスの巣を形成しているケースもあります。さらに地中奥深くに大元の巣を作っていることが多く、表面的な駆除では根絶が非常に難しいシロアリです。

シロアリの巣は基本的に湿っている木材
↑ヤマトシロアリ巣(左)、イエシロアリの巣(右)
ヤマトシロアリの巣は必ず湿っているため、木材が黒ずんで腐食していく場合が多い

 

シロアリの食事と天敵

シロアリは枯れて朽ちた木や葉を好んで食べます。その中に含まれているセルロースが主な栄養源であり、これを自らの消化能力と腸内菌により分解して摂取しています。

アリのように生きている生物を襲ったりはしませんが、木材、コンクリート、鉛などの柔らかい金属、プラスチック、動物の死骸、中には納骨された人骨までもを食害した報告もあります。非常に雑食性の強い生き物だといえます。

なんでも食べるシロアリですが、逆に天敵は生物界の中では多いほう。シロアリを捕食する代表的な生き物はクロアリ、クモ、小型鳥類、カエルやトカゲなどです。これらの生き物を不自然に多く見かける場合はシロアリの繁殖を疑ったほうが良いかもしれません。

シロアリの天敵になる生き物

あと意外に知られていませんが、シロアリは日光に非常に弱いです。強い日差しにさらされると数分で干からびて死んでしまいます。なので木材を食い荒らしても、外皮には手をつけずに内部にだけ侵攻してその姿を見せません。

 

シロアリへの対策・駆除方法

シロアリの駆除は専門業者に頼むのが一番効果的ですが、
その駆除費用はとんでもない金額になり(数十万円から~)どうしても尻込みしてしまいます。
決して簡単な作業ではありませんが、自力で駆除することも不可能ではありません。
予防・駆除に関して何かの参考になれば幸いです。

 

1.まずは身の回りの状況を確認する

シロアリは通常は人の目につく場所に現れません。羽アリが飛び立つ時期に初めて気付き、その時には既に深刻なレベルまで侵攻を許していることが多いです。以下の点にまず注意してみましょう。

・自宅やその周辺で羽アリを見かけたことがある
・自宅やその周辺で蟻道と思われる壁に付着した土の塊を見たことがある
・近所でシロアリ駆除をした話があった
・自宅周辺に朽ちた木や木材がある
・自宅に雨漏りや浸水などがある、もしくは過去にあった
・自宅の柱を叩くと空洞のような音がする
・自宅の床や畳がベコベコしてきた、軋む
・自宅の戸や障子のしまりが悪くなった
・自宅の特定箇所だけ妙に腐食が激しい場所がある

以上の点にいくつか該当するのであれば、一度しっかりとシロアリの有無をチェックすることをおすすめします。

蟻道
↑シロアリの通り道である蟻道(左)、蟻道を崩すとシロアリだらけ(中)、空中に塔のように形成された蟻道(右)

 

2.シロアリが侵攻していたら

シロアリは建材をスカスカに食い荒らして侵攻します。それにより雨漏りや水漏れの多い家になりますし、カビによる腐食も進行しやすくなります。さらには柱の耐震性能がなくなってしまい、家屋が中程度の地震で倒壊してしまった例もあります。出来る限り早急に対策を打ちましょう。

駆除は薬剤による方法になります。スプレー型、塗布型、土壌散布型、毒餌型(ベイト型)などのタイプがありますが、一つの方法だけでは完全な撲滅は難しいです。それぞれのタイプを複合して使用していくのがより確実な方法だといえるでしょう。

 

スプレー型:
殺虫成分を直接吹きかける、見た目にもわかりやすい方法です。発見した個体に直接吹きかけて殺すこともできますし、巣穴にノズルを挿し込んで注入すれば、狭い範囲に限って殺虫・長期間の忌避効果が望めます。即効性は一番ありますが、残念ながら巣の表層のシロアリにしか効果が望めず、シロアリ全体の根本的な根絶にはなりません。あくまで目に見える場所に現れたシロアリへの、その場しのぎの方法です。
アース製薬 シロアリアース 450mL
フマキラー 殺虫スプレー シロアリジェットプロ 450ml

 

塗布型:
シロアリに対しての食毒作用がある塗布型の薬剤です。他のアリやゴキブリの忌避剤としても効果があり、木材が燃えにくくなる作用もあります。またキノコ類の繁殖も抑えるので組み木型の木造建築などには非常に効果がある薬剤といえます。

薬剤は、木材などのシロアリの食害に合う場所に塗布して使用します。床下に潜り込み、むき出しになっている木材部分全てに塗布してください。キッチン下、風呂場下、トイレ下などは特に重点的に。また、すでにシロアリの通り道と化している木材にはドリルで穴を開け、木材の内部に直接薬剤を注入すると効果的です。
ハウスガード 10リットル 2倍濃縮
白アリスーパー21 低臭性クリア(2.5L) 白アリ防除剤

 

土壌散布型:
土の上に直接撒いて使用する乳剤です(液体)。これは自宅の周囲ではなく、床下の土壌に適量を撒いてください。これもキッチン下、風呂場下、トイレ下などを重点的に面上に散布するとよいでしょう。
シロアリ用土壌処理剤 粒状ネオターマイトキラー 5kg

 

毒餌型(ベイト型):
働きアリは1、2ヶ月ごとに脱皮を繰り返します。働きアリに脱皮を妨害する毒餌を食べさせて撲滅し、最終的には働きアリから餌をもらっている女王や兵隊も餓死させる方法です。
イカリ消毒 シロアリハンター 6個入

設置は簡単で、7cm×7cm×3cmぐらいの箱に毒餌が入っており、それを床下のシロアリの通り道近くに張り付けたり、自宅の周囲に等間隔で埋めるだけです。シロアリがいればその箱に向かって蟻道を作りますので、1ヶ月に一度掘り返して確認してみてください。もしシロアリが確認できればその周囲までコロニーを広げて食べに来ている証拠なので、その付近に毒餌箱を追加して効率を上げてください。

床下や自宅周辺に設置するだけなので非常に手軽な上、シロアリのコロニーを壊滅させることもできる非常に有用な方法だといえるでしょう。

唯一の欠点は、撲滅に非常に時間がかかることです。毒餌を口にしたアリが脱皮できずに死ぬまでに2ヶ月かかり、さらに女王が生み続けている子供が成長して毒餌を食べに来て死ぬまでの期間を考えると、かなり長丁場の戦いになります。

シロアリの群れ

 

巣が広大で個体の数が多いシロアリの完全な撲滅は本当に難しいです。忌避剤を塗ってもシロアリたちの巣を分断させるだけで終わってしまったり、殺虫剤を使っても見える部分のシロアリしか殺せていなかったり。自分で処置した場合は、当分の間はその後の経過を注意深く観測してください。どうしても自力で根絶が難しいと判断したときは業者に委ねるのも立派な選択肢です。

アルゼンチンアリ

アルゼンチンアリ

アルゼンチンアリとは?

アルゼンチンアリは、ハチ目アリ科カタアリ亜科アルゼンチンアリ属のアリの総称です。

名前から推測されるとおりアルゼンチン原産のアリで、本来は日本に存在しなかった外来種のアリ。南アメリカから生息地を広げて現在では日本、北アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、アフリカなど世界各地でその存在が確認されています。これらは輸入木材などにくっついていた個体が海を渡り、新たな土地で繁殖に成功して住み着いたと考えられています。

日本では1993年に始めて広島県の廿日市市で存在が確認されました。その後は船の出入りが多い港町を中心に、愛知県、神奈川県など発見が相次ぎ、現在では東京都、大阪府、京都府などの都心部でも繁殖が確認されています。

アルゼンチンアリの身体的特徴

 

アルゼンチンアリの身体的特徴

アルゼンチンアリの身体的特徴アルゼンチンアリは、大きさが大体2mm~3mm前後です。胴体は細長く、特に腰周りが細いのでくびれのようなものが確認できます。体色は茶色っぽく、ツヤや赤みはほとんどありません。

それなりに見た目に特徴はあるのですが、いかんせんサイズが小さいため他のアリとの区別は難しいです。「アルゼンチンアリが出た!」と報告があっても、実はオオズアリ、トビイロシワアリなどの他の種のアリと間違っていることも多いのだとか。

アルゼンチンアリとほかのアリとの特徴の違いと見分け方
↑左からアルゼンチンアリ、オオズアリ、トビイロシワアリ
オオズアリは頭が大きい兵隊アリが混じっているし、トビイロシワアリはアルゼンチンアリよりも黒っぽい

 
一番判断材料になるのは、その動きの早さです。他の在来種のアリに比べて格段に移動速度が早いです。異常に動きが早いアリの群れを見たときはアルゼンチンアリを疑ったほうが良いかもしれません。

↑アルゼンチンアリの動き。とんでもなく歩くスピードが早いのが見てとれる。

 

アルゼンチンアリの女王と繁殖

アリというと土の中に巣を作るイメージがありますが、アルゼンチンアリが地中に巣を作ることは稀で、ほとんどは地形からくる何かしらの隙間に巣を張ります。自然界であれば大きな石の下や、倒木の下など。人間の生活圏では、コンクリート壁に出来たヒビの間や、プランターの下、土の上に敷いたマットの下、中には車のトランクや、キッチンの流しの下などに巣を作るようなケースもあります。

アルゼンチンアリは多女王性なので、一つの巣の中に複数の女王アリが存在します。その数はかなり多く、ひとつのコロニーに1000匹を越える女王アリが確認されたことも。女王アリは暖かい時期であれば1日60個ペースで卵を産むので、その繁殖能力は凄まじいものがあります。

アルゼンチンアリの女王
↑アルゼンチンアリの女王(全長3mm~7mm程度)

ある程度アリの数が増えると、女王アリは新天地を求めて分巣していきます。巣の中で雄アリと交尾を済ませた女王アリは、多数の働きアリを連れて徒歩で移動します。他の種のアリのように女王単独での結婚飛行などは行いません。多くの働きアリを伴って行動することで様々なリスクから女王を守ることになるため、非常に安全性の高い分巣方法だと言えるでしょう。

元の巣を出たアリたちは比較的近い場所に新たな巣を作り、さらにそれをどんどん広げていくために最終的には尋常ではない大きさの巨大なコロニーが形成されていくことになります。ヨーロッパでは全長900kmにも及ぶスーパーコロニーが発見された報告も。日本でも最初に発見された広島県では、相当な大きさのコロニーが形成されていると考えられています。

あ、ちなみにアルゼンチンアリは分巣だけでなく、引越しも頻繁に行います。これは洪水が多く発生する原産地で得た習性で、少しでも水害の危険を感じたときに行われるようです。もともとの地形を利用して巣にする習性も、もしかしたら引越し頻度の高さを考えてのものかもしれません。

アルゼンチンアリの巣の作り方と引っ越し

 

アルゼンチンアリの食事と天敵

アルゼンチンアリは攻撃性が非常に強いアリです。多種のアリの巣を見つければ、成虫・幼虫ともに全て自分達のエサにしてしまいます。そのためアルゼンチンアリが住む地域では、多種のアリは全て絶滅してしまうことになります。

ほかには昆虫(生死問わず)、果実、花の蜜、アブラムシやカイガラムシの甘露、などが好物。鳥の巣に侵入して生きている雛鳥を襲ったような例も。人間が食べ残した食事も、肉・魚・野菜・穀物・お菓子など何でも好みます。特に、砂糖のような糖類を多く含む甘い食べ物に積極的にたかる傾向があるようです。

逆に、アルゼンチンアリの天敵は存在しません。外来種が天敵のいない新天地で繁殖してしまうパターンはよくあるのですが、なんとアルゼンチンアリは原産地でさえ天敵と呼べるほどの敵は存在しません。アリを主食にする鳥やトカゲも、あまりこのアリを好んで狙うことはないようです。

アルゼンチンアリはお菓子でも果物でもなんでも食べる
↑クッキーやグレープフルーツに群がるアルゼンチンアリ

 

アルゼンチンアリは同種で争わない

一般的なアリは、同じ種であっても巣が違えば敵グループとして争います。しかし困ったことにアルゼンチンアリは違う巣のアリ同士が争うことがないことが報告されています。同種同士での余計な争いがないことが、彼らの爆発的な繁殖力に拍車をかけているのです。アメリカで捕獲したアルゼンチンアリと日本で捕獲したアルゼンチンアリを鉢合わせてもケンカしないというから驚きです。

 

アルゼンチンアリと人間との関係

アルゼンチンアリは気性が荒いために、人間を咬むこともしばしば。しかしアリ自体のサイズが大したことはないため痛みはそれほどではありません。ヒアリなどのようにその牙に毒を持っていることもありません。

しかし、隙間を好んで家屋に侵入してくるその性質と、異常に高い繁殖能力は、不快害虫としてはかなり高いレベルであると言っても良いでしょう。

土の中を巣として生きるほかのアリであれば、食べ物を探す目的で家屋に侵入してきますが、なんせアルゼンチンアリは、巣を作る目的で家屋に侵入してきます。1mm程度の隙間にも侵入できるこのアリが家屋内で繁殖に成功すると非常に厄介です。

アルゼンチンアリの特集番組で被害者にインタビューをしていましたが、
・数が多過ぎて、駆除しても駆除しても全く数が減らない
・風呂掃除をしていて壁の隙間に水が入った瞬間、周りが真っ黒になるほどの数のアリが出てきた
・ゴミを置くとすぐにどこからか無数に現れてくる
・どうしようもない、ノイローゼになりそう
など悩ましい声が多数上がっていました。

また、農業害虫としても悪名が年々高くなってきています。果物や大根や人参などの根菜をかじって商品価値を無くしてしまう報告が上がっています。さらに別の農業害虫であるアブラムシやカイガラムシを守る性質があるため、これらの昆虫の大量発生を招いて作物に大きな被害をもたらす危険性も。養蜂所のミツバチの巣箱や蜜を食べてしまう食害も報告されています。

さらに前述したとおり、他のアリを駆逐してしまう点も大きな問題です。海外では他種のアリを主食にしていたトカゲの数が激減してしまった例もあります。

アブロムシから甘露をもらうアルゼンチンアリ
↑アルゼンチンアリが他種のアリを攻撃している(左)、アブラムシから甘露をもらうアルゼンチンアリ(右)

 

アルゼンチンアリの駆除方法

残念ながらアルゼンチンアリを完全に駆除するための有効な方法はいまだ見つかっていません。1mmの隙間があれば侵入可能、数が膨大、非常に強い繁殖力、これを完全に防ぐのは不可能かもしれません。

しかし、侵入されにくい・繁殖されにくい環境を作ることは可能です。ここではアルゼンチンアリの被害を多少なりとも軽減する方法を紹介していきます。

 

1.家の周りから彼らの巣になりそうなものを除去する

まずは自宅周辺の掃除・不要物の処分をしましょう。アルゼンチンアリが巣にするような物を全てなくすことで、アルゼンチンアリの繁殖を防ぐことができます。

・ダンボール、木箱、タイヤ、木材、マット、ブルーシート、コンクリートブロックなどを長期間放置しない
・立てかけられるものは立てかけて、地面との設置面積を減らす
・鉢植えはプランタースタンドなどの上に乗せるようにする
・コンクリートのヒビ等の隙間は全てシーリング材などで埋める

ブルーシートの下や放置タイヤもアリの住処になりやすい
↑地面に直接敷かれたブルーシート(左)や放置タイヤ(中)は巣になりやすい。プランターはスタンド(右)を活用したい

 

2.アブラムシ・カイガラムシを駆除する

これらの虫とアルゼンチンアリは強い共生関係にあります。不要な草むらは伐採、畑や花壇には専用の農薬をまいて殲滅しましょう。アルゼンチンアリの重要な食事源を断てば、必然的に繁殖速度は遅くなります。

アブラムシとカイガラムシ

 

3.屋内への侵入経路を全て塞ぐ

住宅の外壁にあるヒビや隙間はすべてシーリング材などで埋めましょう。窓のさんの隙間、軒下の通風孔などの穴は、周辺に忌避薬を散布して対処します。アルゼンチンアリはあまり高い壁を登って侵入する例はないので、配慮するのは2m程度の高さまでで構いません。

侵入経路

 

4.食べ物を放置しない

食べ残しは冷蔵庫にしまうか、きちんと蓋をして密閉しましょう。砂糖などの調味料も密封状態に気を配ってください。また、気をつけたいのはゴミ置き場。ゴミを出す曜日を守り、ゴミが長期間放置されるような状況を作らないようにすることが大切です。缶ゴミ・ビンゴミは必ず水で一度洗浄してから出すようにしましょう。

 

5.アリを殺すときは殺虫剤で

アルゼンチンアリは群れで行動しますし、体格が小さい上に、走る速度はものすごく速いです。
物理的に手で捕まえたり、1匹ずつ叩いて駆除するのは現実的ではありません。市販のアリ用のスプレー型殺虫剤を、アリの行列に直接吹きかけるのが効果的です。

 

6.巣を見つけたら積極的に駆除する

自宅近所でアルゼンチンアリの巣を発見したら、積極的に駆除しましょう。たとえまだ実害が発生していない段階だったとしても、天敵のいないアルゼンチンアリはコロニーを広げて、少しずつあなたの家ににじみよってきます。早めに対処すれば近隣全体を被害を未然に防ぐことにつながります。

巣に対して高い効果が望める殺虫剤は、液体タイプとベイトタイプ(毒餌型)です。それぞれ特徴があるので、できれば併用して確実な殲滅を目指していきましょう。

液体タイプ:
フマキラーなどから「アルゼンチンアリ用退治液剤」として販売されています。液体タイプはアルゼンチンアリの行列に直接かけたり、巣の入り口に注ぎ込むように使用します。それによって、巣を出入りする働きアリの体に殺虫成分が付着します。アルゼンチンアリはお互いの体を舐めあう習性があるので、巣の中の仲間を一緒に殺すことができるというわけです。性質上、働きアリの数を減らす目的に有効で、効果が現れるまでに2、3日と、それなりに即効性も期待できます。

ベイトタイプ:
ベイトタイプは、巣の近くに設置しておけば働きアリがそれを持って帰って女王や幼虫の餌にするため、コロニーの根本的な殲滅が期待できます。ただし働きアリの口に毒が入ることは少ないので、うまく巣の中で女王や幼虫を殺せたとしても、その効果が実感できるまでに時間がかかります。

 

アルゼンチンアリの被害を広めないために

現在アルゼンチンアリは、山口県から東京都までの太平洋側の広範囲に生息域を広めています。この拡大を防ぐには個人レベルではなく、地域レベルでの協力と対策が必要不可欠になってくるでしょう。

巣を見つけたらすぐに処理する、近隣の住民同士で情報を共有し合う、アリの巣になっている資材を他の地域に持ち出さないなど、その地域全体で住民・企業・自治体が協力してこのアリに対処していくことが重要です。

最近問題になっているのは、沖縄県の辺野古基地の埋め立てです。埋め立て用の土はアルゼンチンアリが繁殖している瀬戸内地域の土砂を使う予定になっており、土砂を持ち込む業者はアリの混入を防ぐための具体的な対策を立てていない状況です。もし沖縄のような狭い離島にアルゼンチンアリが侵入すれば、在来種への影響は甚大でしょう。国や基地建設に関わる業者にもう少しアルゼンチンアリの脅威を理解してほしいところです。

アルゼンチンアリ

カメムシ

カメムシの生態と対策

カメムシとは?

カメムシは、カメムシ目カメムシ亜目のカメムシ科の昆虫の総称です。あくまで総称ですので「カメムシ」という昆虫は存在しません。

カメムシは、日本に数多く生息する昆虫の中でも比較的よく見かける機会があり、その体から放たれる悪臭もあってか、かなり知名度が高い昆虫であると言えるでしょう。地域によってはクサムシ、ヘコキムシ、ヘクサムシなどと呼ばれることもあります。どの地域でも臭いを由来にした名前がつけられている事を見ても、その臭いのインパクトの強さが伺えますね(笑)

しかし一言でカメムシと言ってもその種類は多岐にわたり、形状も生態も様々です。クサギカメムシは茶色の五角形の体格をしていて主に果実や茎の液を摂取しますし、クチブトカメムシはアゴをイモムシに刺し込んで捕食しますし、なんと同じ仲間のサシガメの中には哺乳類について吸血するものまで存在します。吸血性のカメムシなんて想像したくもないですね(汗)

 

いろんなカメムシの種類

↑見た目からかなりの違いがある様々なカメムシたちの写真

 

さて、全てのカメムシの種類の生態を解説していてはキリがないので、ここからは、日本でもっともポピュラーで、しかも屋内に侵入してきてみんなを困らせるカメムシ、クサギカメムシについて解説していくことにします。以下、この頁ではカメムシという記述は全てクサギカメムシのことを指します。

 

網戸につくカメムシと葉っぱの上にいるカメムシ
↑日本全国、特に山間部に多く生息するクサギカメムシ

 

カメムシの身体的特徴

カメムシはその名前のとおり甲羅をしょった亀のようなビジュアルをしています。体長は13mm~20mm程度で、ほかのカメムシの仲間の中でもかなり大きい部類に入ります。

体色は基本的には暗褐色の不規則なまだら模様をしていて、個体によっては少し黄色っぽかったり、茶色寄りだったりすることもあります。この差は環境によって表れるようで、その住みかに合わせた保護色に近い色をしている場合が多いようです。また意外に平べったい体をしていて、細い隙間に潜り込むのに適した形状をしています。樹木の隙間や石の下、人家の壁材の隙間、窓のさんの隙間、どこにでも潜り込むことができるため、人家に侵入して我々の前にその姿を現すことは日常茶飯事。困ったもんです。

甲羅のような背中の中には大きな羽根が収納されており、遠距離の移動の際にはそれなりの速さで飛行することが可能です。ただし旋回性能や対物レーダー機能はそれほど高くないようで、勢いよく何かの障害物にぶつかる姿をよく見かけます。しかしブーンと大きな羽音を立ててこちらに飛んできたときの、あの恐怖感はたまりませんね。

 

カメムシの羽
↑カメムシの羽

 

そして誰もが知っているカメムシの悪臭。
普段は臭いを放つことはありませんが、ひとたび外敵から刺激を受けると胸の穴から液を分泌して悪臭を放ちます。このキュウリの腐ったような臭いはかなり強烈で、6畳間ならその部屋にいられないぐらいに臭くなります。

バラエティ番組の特集では「カメムシは自分の臭いで死ぬ」というネタが放送されて話題になりましたね。密閉した瓶の中でカメムシに悪臭を出させると、その瓶の中でカメムシは自らの臭いで死んでしまいました(笑)それぐらいに強悪な臭いです。

また、このカメムシの匂い成分はパクチーの成分と非常に近いということも伝えられ、SNSなどではパクチー好き達が「ショック過ぎる」と嘆きの声を上げました(笑)

 

カメムシの死骸

↑カメムシを横から見た姿(左)と、ひっくり返って死んでいるカメムシ(右)

 

カメムシの主食と天敵

カメムシは植食性で、成虫はありとあらゆる植物の果実、茎・葉の汁を好んで摂取します。(※ただし幼虫は果実はあまり好まないようですが)口元に普段は折りたたんであるストローのような器官を持っており、これを伸ばして対象に刺し込むことで果汁や樹液を吸い出します。

このため農家にとってはカメムシの食害はかなり深刻で、
特にみかん、梅、柿、梨、りんご、桃、さくらんぼ、びわを扱う業者にとっては大きな脅威になっています。カメムシに憑かれてしまった果実はその果汁を吸われてしまい、成長が阻害されてしまいます。形がいびつになり商品価値が下がってしまったり、ひどい場合は腐って廃棄処分となってしまうことも。

カメムシ

↑葉の茎部分にストローを指して液をすするカメムシ

 

逆にカメムシの天敵ですが、成虫については実はほとんど自然界には存在しません。いかにその強烈な臭いが身を守ることに適しているかを、このことが証明していますね。ただしクモやカマキリ、サシガメなどは、カメムシの種類やそのときの空腹度によっては襲うことはあるようです。

また多くの昆虫にとっての天敵になるアリですが、このアリでさえこの臭いには近寄ることはありません。なんとアリの警戒フェロモンと同じ成分がカメムシの臭いには含まれているのです。カメムシってもしかしてものすごく高度な生き物なのでは・・・。ただし、死後時間が経って臭いが消えたカメムシであればアリは食料として巣に持ち帰ります。

卵の状態であれば唯一天敵といっていいのは、チャバネクロタマゴバチなどの寄生蜂です。この寄生蜂はカメムシが産卵した卵に自分の卵を産みつけて寄生させ、さらに孵化した幼虫は他のカメムシの卵を食い荒らして成長します。

カメムシの天敵はカマキリや寄生蜂

↑カメムシの卵に自分の卵を産みつけるチャバネクロタマゴバチ(左)、カマキリもカメムシを食べるときがある(右)

 

カメムシの住処と繁殖

カメムシは暖かい時期はエサを求めて草木の中を動き回っています。特に巣のような、特定の住みかは持っていません。

梅雨ぐらいの時期に交尾をし、植物の葉の裏側などに1度に20~30個の卵を産み付けます。早ければ夏を待たずにこれらの卵は孵化し、カメムシの幼体が生まれます(※カメムシにはイモムシやサナギの時期はありません)。最初は寄生主の植物の汁をすすって集団で生活をしていますが、何度か脱皮を繰り返して成虫になった個体から集団を離脱していき、それから単体行動をとるようになっていきます。

すっかり成長した個体は、迫りくる冬に対して越冬準備に入ります。樹木の隙間や石の下、家屋の隙間などに入ってじっとして寒を凌ぐわけです。そして無事に越冬できた個体はまた餌を求めて動き回り、交尾・出産をしていきます。

カメムシの卵と産卵

↑カメムシと産みつけたばかりの卵(左)と、まるでテントウムシのような孵化したばかりの子供たち(右)

 

人家に侵入してくるカメムシへの対策

細い隙間に潜り込める体格、そして冬場は温度の高くて明るい場所に寄っていくという習性から、カメムシは人家の屋内に頻繁に侵入してきます。特に山間部ではそれが顕著で、時期によってはものすごい数のカメムシが部屋の中に現れるときもあります。

また、色の明るい場所で日向ぼっこをすることも好きで、屋外に干してある白シャツなんかに張り付いていることも多くあります。せっかくキレイに洗った洗濯物がカメムシの刺激臭で台無しにされたときのショックは計り知れません。最悪、気付かずに洗濯物と一緒に取り込んで屋内に持ち込んでしまうことも。

衛生害虫としての代表はと言えばやはりゴキブリですが、もしかしたら山間部ではカメムシのほうが順位が上になるかもしれません。あの侵入頻度と悪臭を放つ習性は、それを経験したことがある者にとってはもう、脅威そのものですもん。

ここからは我々がとれるカメムシへの対策。

 

すみかの根絶
はい、できません(涙)
カメムシは人家の中で繁殖するのではなく、森などの草木の中で繁殖して数を増やします。それらが人家に侵入してくるわけです。元を断とうと思ったら、森を伐採するぐらいのことをしなければなりません。さすがにそれは現実的ではないでしょう。家の周りの不要な植木・雑草をなくすことで多少はカメムシの数を減らせるかもしれませんが、目に見えて大きな効果は得られないでしょう。

 

家屋への侵入を防ぐ
カメムシの絶対数を減らせないのであれば、侵入を防ぐしかありません。もしあまりに頻繁にカメムシが室内に入ってくるのであれば、まずは侵入経路を探しましょう。換気扇、給排気口、エアコン周り、窓のさん、天井裏、床下、考えられる場所は非常にたくさん存在します。カメムシは2mm程度の隙間があれば無理やり体をねじ込んで侵入することができてしまいますので。

網戸の内側にカメムシが侵入してくる

↑田舎ではよくある光景。何故か網戸の内側にいるカメムシ(笑)

 

もしそれらしい侵入経路が見つかったなら、可能な範囲で塞ぎましょう。壁などの隙間であれば、室内用パテやボンドコークで埋めてしまったほうが良いかと思います。そうすればゴキブリやムカデなどのほかの害虫の侵入も防げますし。換気扇は可能であれば網付きのものに取り替えましょう。

しかし窓のさんやドアの隙間はパテで塞ぐわけにはいきません。ここで活躍するのはカメムシ用の忌避スプレーです。一度吹き付けておけば数週間カメムシが寄り付かなくなるので有効活用しましょう。換気扇周りや玄関周り、網戸なんかにも吹きつけておくと効果的です。

 

カメムシいやよー

もし家に寄り付くカメムシの数が尋常じゃなくて困っているのであれば、家の外壁全てに専用薬剤を塗布しましょう。キンチョールのカメムシ専用乳剤というものが市販されています。ただし価格も手間暇もかなりのものなので、あくまでどうしてもというときの最終手段で。

洗濯物にとりついて困っているのならば、吊り下げタイプの忌避剤を。物干し竿に一定間隔でぶら下げておけばカメムシの接近する数を減らすことができます。ただしこのタイプの商品は持続時間が頼りなく、頻繁に取り替えなければいけないために、継続して使用するならばそれなりに費用がかさむことになります。

あと自宅に庭があるのであれば殺虫用の誘導灯を使うのも手です。あの虫が接触すると電撃でバチバチいうやつです。家屋から少し離れたところに設置しておけば、光に強く誘引されるカメムシのほとんどはそちらに向かいます。効果は非常に高く、自宅近辺のカメムシの絶対数を減らせるという点でもかなり優れた対策だといえるでしょう。

ただし毎朝の虫の死骸の掃除が大変ではありますが。当然カメムシ以外の昆虫も集まってくるので、お住まいの環境によってはものすごい数の虫の死骸と毎朝対面することになります(汗)機械の細部にも虫の死骸がつきますので掃除しやすい形状のものを探すとよいでしょう。

殺虫用の誘導灯

 

侵入されてしまったら
侵入されないのが一番ですが、こうなっては仕方ありません、撃退しましょう。ティッシュやほうきなどで捕まえて屋外に出してしまうのが楽ですが、この作戦だとどうしても刺激を与えてしまうので、悪臭に苦しむことになります。あと窓を開けて外に放るときに、ほかのカメムシが入ってきてしまうリスクも。それに逃がしたカメムシも結局はまた屋内に侵入を試みてくるだけでキリがありません。

オススメは次の2つの方法です。

1.ガムテープで捕まえる
カメムシに接近することに抵抗がない人向け。15cmから20cmのガムテープで貼り付けて捕獲し、接着面を内側に折りたたんで密閉してしまいます。悪臭ごと完全に密閉して封印できるので、そのままゴミ箱に捨てることができます。潰して殺すときのあの嫌な感触も味わわなくて住んで一石二鳥です。

ガムテープでカメムシを捕まえる

 

2.カメムシ専用の殺虫スプレーで殺す
一度使ってみるとわかりますが、吹きかけると本当に一瞬で死にます。カメムシに悪臭を放つ隙を与えずに秒殺できるのでお手軽という面ではおすすめです。直接カメムシに触らなくて済む点も、苦手な人にとってはメリットですね。

 

カメムシを食べる国もある・・・

あまりに強烈なニオイに触ることすら抵抗がある人が多いカメムシですが、世界を見渡せば、カメムシを食用にしている国は意外にも少なくありません。東南アジア、メキシコ、南アフリカでは日常的にカメムシが家庭で食べられています。

調理は、熱湯でニオイ成分を除去し、それを干したり、焼いたり、香辛料をまぶして炒めたり。食感的にはパリパリしてラオスあたりでは極めて一般的な食材なんだとか。いくら美味しいと言われても私達日本人にはその感覚は理解できそうにありませんが(汗)

しかし最近、中国でカメムシの過剰摂取で集団食中毒になったという事件が起きました。やはりあまり人体に良い食べ物ではないみたいです(笑)

カメムシの生態と対策

 

 

カメムシが自分の臭いで自爆してしまうのか、実験している動画: